韓国政府は、武力衝突が続くイスラエルに軍の輸送機を派遣。韓国外交部(外務省に相当)によると、差し迫った状況を考慮し、最も迅速に投入できる航空機を検討して軍用機の派遣を決めたという。座席に余裕があったため、韓国政府は12日夜、在イスラエル韓国大使館を通じ、軍輸送機に日本人らも搭乗できると打診した。韓国国民163人、日本人51人、シンガポール人6人を乗せた輸送機は14日午前、イスラエルのベン・グリオン空港を出発し、午後11時前にソウル近郊のソンナム(城南)市にあるソウル空港に到着した。一連の対応は日本の各メディアも報道。ネット上では韓国軍や韓国政府への感謝のコメントが相次いで投稿されている。
上川陽子外相は15日、韓国のパク・チン(朴振)外相と電話協議し、今回の韓国政府の協力に感謝を伝えた。また、今後、同様のことがあれば日本も積極的に協力するとの立場を示した。
一方、日本政府が手配したチャーター便には1人3万円の運賃が請求されたと報じられた。日本政府のこの対応には、韓国軍の輸送機は無料だったことと対比して一部で批判が出ている。日本政府が手配したチャーター機には日本人8人が搭乗。14日にテルアビブの空港を出発し、翌15日午前にアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに到着した。
日本政府の今回の対応について、松野博一官房長官は16日、商用便を使い、自費で出国した人も多くいることを踏まえた判断だと説明し、適切だったとの認識を示した。しかし、政府の対応には「日本政府は緊急の退避者から3万円取るんだ」「チャーター機を有料化したケチさにあきれる」「韓国は善意で日本人をソウルまで退避させたが、日本政府は1人3万円取って8人をドバイまで?」などとネット上を中心に批判が上がっている。15日には「有料3万円」のワードが、一時SNSのトレンド入りした。
また、写真週刊誌FLASHは、折しも岸田文雄首相が、最近、主にネット上で「増税メガネ」などとあだ名がつけられている中、今回のチャーター便をめぐる日本政府の対応を受けて、ついには岸田首相がネット上で「銭ゲバメガネ」と呼ばれるようになっていると指摘した。一方、ネット上では「個人的な事情でイスラエルに滞在し、そこから退避するのに必要な費用を本人が負担するのは当たり前のことだと思う」「費用負担が妥当。他国との比較は意味がない」「お金の問題じゃない。迅速さが最優先」などといったコメントも上がっている。
日韓の人道協力をめぐっては、新型コロナウイルスの流行の真っただ中の2020年5月、滞在先のインドで急性白血病を患った韓国人の女児が、支援要請に応じた日本政府の手配で飛行機に搭乗し、韓国に帰国したことが当時、話題になった。女児は治療を受けるために家族と韓国に戻ろうとしていたが、当時、新型コロナの影響で国際線の運航が停止しており、現地の韓国大使館が各国に協力を要請。日本政府はこれに応じ、帰国する日本人のために日本の航空会社が運航した臨時便に、女児と家族の座席を確保した。女児が帰国したのが5月5日だったことから、この出来事は当時、「こどもの日の奇跡」と呼ばれた。
また、今年4月には、戦闘で混乱するアフリカ北東部・スーダンからの日本人の退避を韓国政府が支援した。
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