生後100日の娘に「睡眠薬ミルク」与え死亡させた父親…懲役8年＝韓国

生後100日の娘にゾルピデム成分の睡眠薬を混ぜたミルクを飲ませて放置し、死亡させた40代の父親が懲役8年の刑を宣告された。

20日韓国法曹界によると、テジョン（大田）地裁はきのう、児童虐待犯罪の処罰などに関する特例法違反（児童虐待致死）などの容疑で起訴されたA被告（40）に懲役8年を宣告した。また、児童虐待治療プログラムの履修40時間と、5年間の児童関連機関への就業制限も命令した。

A被告はことし1月13日午後10時23分ごろ、事実婚関係にあった妻との間に生まれた生後100日を過ぎた娘を1人で見ている間、ゾルピデム成分の睡眠薬を混ぜた水でミルクを作り飲ませた容疑で起訴された。睡眠薬は普段から不眠症を患っていたA被告が病院で処方され持っていたものだった。

その後、低体温症などの危険な状態になった子どもを抱いた後、床に落として頭を負傷させるなどの虐待を行い、適切な措置を取らず放置して窒息死により子どもを死亡させたと把握された。

当時、詐欺罪で指名手配されていたA被告は処罰を恐れ通報しなかったとし、その後、詐欺罪については嫌疑なしと判決されたという。

検察は先月21日に開かれた結審公判で、「被告人はわずか100日を過ぎた娘にゾルピデム成分の薬を飲ませても、ミスだったと犯行を否認し反省していない」とし、「犯行方法に照らし合わせ、罪質は不良」とし、懲役10年を求刑した。

これに対しA被告は、「半地下の家で昼間も家の中が暗く、自分が飲むために置いておいた睡眠薬を溶かした水を誤って飲ませてしまった」とし、「故意に薬を飲ませたわけではない。当時、人工呼吸と心肺蘇生も行った」と自身の容疑を否認した。

裁判部は、「薬物の半減期などを考慮すると、午後3時に飲ませたという被告人の主張と異なり、夕方にゾルピデムを混ぜたミルクを飲ませたとみられ、それにより当時、旅行から帰ってから急いでミルクを作ろうとしてミスをしたという被告人の主張も受け入れることはできない」とし、「被告人は娘が嘔吐し鼻からミルクが出たにもかかわらず、妻が帰宅するまで1時間以上放置した」と指摘した。

また、「人工呼吸などの措置を取ったと主張したが、この措置では重篤な状態から回復させるには足らず、指名手配の状態だったことを恐れ子どもを放置したという主張も納得できない」とし、「誤っていると知りながらも放置し、死に至らせたことが認められる」と判示した。