韓国エネルギー技術評価院の風力発電技術格差の原因に関する調査結果
韓国エネルギー技術評価院の風力発電技術格差の原因に関する調査結果
韓国の風力発電の技術水準が、昨年時点でヨーロッパの4分の3の水準にとどまるという調査結果が出た。風力発電の需要が少ないために技術の実用化が十分になされていないためと分析されている。

共に民主党のイ・ドンジュ議員が韓国エネルギー技術評価院から受け取った「2022年再生エネルギー技術水準および国産化率に関する調査」という題名の報告書によると、韓国の風力発電技術は世界最高の技術を有するヨーロッパの約76.7%の水準にとどまる。

これは韓国エネルギー技術評価院が再生可能エネルギーの分野別の専門家262人を対象に調査した結果だ。海上風力発電関連の15の技術分野のうち、発電タワーに関する分野はヨーロッパの約90%の技術水準に達しているが、メンテナンス分野ではヨーロッパの65%の技術水準にとどまっていることが分かった。

専門家らは、ヨーロッパとの技術格差の最大の要因として、韓国国内での風力発電の需要が少ないことを挙げた。英国やドイツなどのヨーロッパの主要企業は、自国の電力生産のうち再生可能エネルギー発電の割合が40%を超え、このうちのほとんどが風力発電だが、韓国では再生可能エネルギー発電の割合が9%に過ぎず、そのほとんどが太陽光発電だ。

続いて開発技術の実用化不足や、技術を先導する企業の不足、投資財源の不足、専門人材の不足、研究開発の持続性の不足、複雑な関連法令・規制、研究開発のための施設インフラの不足、国内産業の不在などを挙げた。

最も多くの専門家は政策上の解決策として研究開発のための支援の拡大を挙げ、他にも国産製品の優待制度の拡充や、人材需給の支援、ビジネスモデルの開発などが必要としている。

韓国の太陽光発電技術も世界最高の技術保有国である中国に比べて平均で91.6%の水準であることが集計された。中国は今回の調査で8つの技術のうち5つの分野で世界最高の技術を保有しているとの結果が出た。ポリシリコン、インゴット、ウェハーなど素材部門の強みが技術競争力として現れた形だ。

専門家らは、中国との技術格差が大きい最大の理由として価格競争力を挙げ、次に国内需要が小さいとの回答が続いた。また、最も多くの回答者が政策的解決策として研究開発支援の拡大を挙げ、国産製品に対する優待制度の拡充も必要だとしている。

韓国政府が直接出資する研究機関が出したこのような調査結果があるにもかかわらず、政府の再生可能エネルギー関連の研究開発予算は減っている状況だ。来年度の再生可能エネルギーに関する技術開発予算は5685億ウォン(約630億円)で、今年より10.4%減少した。景気減速による税収不足により財政運用が難しくなった韓国政府が、研究開発予算を大幅に削減したことが影響している。

イ・ドンジュ議員は「韓国国内の再生エネルギー産業がヨーロッパや中国の技術水準に追いつくためには研究開発費の拡大が急務だが、政府は予算を大幅に削っている状況」とし、「今回の通常国会で関連予算を以前の水準に戻すべきだ」と述べた。
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