ソウル西部地裁刑事合意11部の審理で開かれたこの日の裁判で、パク元部長は昨年の梨泰院惨事の直後、情報担当警察官に「目的が達成された情報報告書を削除せよ」と指示したことについて「当時は規定による正しい職務遂行だと判断した」と主張した。‘警察官の情報収集及び処理等に関する規定’によると、収集・作成した情報が目的を達成し、不要となったら情報を廃棄しなければならないために報告書を廃棄するよう指示したという。
パク元部長は「惨事の真実を究明したり、責任を糾明するレベルで接近できず、私が担当した部処で誤った部分を是正するというレベルで接近して問題が発生した。狭い所見で誤った判断をしたようだ。反省している」と述べた。
パク元部長は、キム・ジンホ(53)龍山警察署元情報課長と共に梨泰院惨事の直後、警察の捜査に備えて特定情報要求(SRI)報告書などを削除させた容疑(証拠隠滅教唆など)で裁判を受けている。ただし、惨事の前に製作された警察情報報告書を通じて、多くの人が集まって発生しうる安全事故を十分に予想できたとの検察側の主張については同意しなかった。
パク元部長は「検察側の主張どおり拡大解釈することは文献の意味と合わない。梨泰院惨事は人が多く集まった時、私たちが通常考えられる安全事故の範囲を超えたものだ」と反論した。
一方、遺族たちは裁判に先立ち、被告人たちの厳罰を促す言論ブリーフィングと1人デモを行った。惨事の犠牲者である故ユ・ヨンジュさんの父親ユ・ヒョンウ氏は「1周忌になっても誰1人『私のミスだ』、『私の過ちだ』と責任を取る人がいない。未来の警察を夢見る後輩たちのためにも正義の姿を見せてほしい」と述べた。
民主社会のための弁護士会のチョン・ユンソク弁護士は「警察内部で安全対策を準備しなければならないという報告書が7件も作成されたが、対策を立てなかった。この事件が韓国社会に投げかけるメッセージ、遺族たちの惨憺(さんたん)たる気持ちをしっかり察し、厳正に裁判を進めることを願う」と述べた。
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