韓国の大学、仮想通貨寄付の管理に問題…国会で追及
韓国の大学、仮想通貨寄付の管理に問題…国会で追及
韓国の大学が仮想通貨を寄付金として受け取った後、上場廃止されたコインを売却できずに困っている事態が、国会教育委員会の国政監査で浮き彫りになった。寄付されたコインは現在、韓国の主要仮想資産取引所で取引できない状態で、現金化の見通しも立っていない。奨学金などに使う予定だった寄付金が宙に浮いており、大学がコイン会社の広報に利用されたという批判も出ている。

 26日に開かれた総合監査では、最大野党「共に民主党」議員で国会教育委員会所属のムン・ジョンボク(文貞福)氏が、コインを寄付されたトンソ(東西)大学のチャン・ジェグク(張濟國)総長から事情聴取した。文氏は、「一般的には、現金以外の債券やコインなどの寄付を受ける前には、法律的な検討や事前審議が必要だ」と指摘し、「しかし、東西大はそうした手続きを踏まなかったのは問題だ」と追及した

 韓国ゲーム企業のウィーメード(WEMADE)は昨年、ソウル大学や高麗大学、西江大学、東西大学にそれぞれ10億ウォン(約1億1000万円)相当の仮想通貨「ウィーミックス(WEMIX)」を発展基金名目で寄付した。しかし、昨年11月、主要取引所がウィーミックスの上場廃止を決定し、寄付を受けた大学は売ることもできない困った状況に陥っている。一部では、寄付されたコインを内部方針なしに安易に管理し、事実上放置した「代償」を払っているという指摘も出ている。

 文氏は張総長に、「東西大学は当該コインに対する会計処理や電子財布の開設と関連した法律の検討を受けたのか」と尋ねると、張総長は「新しい(寄付金)分野なので、会計処理をどうすべきか...(法律検討は)受けなかった」と答えた。

 文氏は、1年間コインを売れないようにロックアップ(一定期間の売却禁止)をかけた条項について、「国内外の寄付事例の場合、ロックアップをかけずにすぐに現金化するようにしている。すぐに現金化して必要なところに使うようにするのが寄付金の性格に合うが、東西大は投資したわけでもないのに、なぜロックアップをかけた条項に同意したのか」と疑問を呈した。

 張総長が「コインについて知識が不足していた」と言うと、文氏は「それなら法律的な検討を受けるべきだ」と改めて強調した。すると、張総長は「寄付金をくれるというので、総長としてはありがたいことなので受け取った」とし、「(ウィーメード側で)1年間ロックアップをしてくれるというので、そうなのかな(当然のこと)と思った」と話した。

 文氏は「結局、今まで現金化できる方法も見つけられず、寄付目的に合わせて使用することもできなかった」とし、「現金化するには、国内取引所にアカウントを必ず作らなければならない。実際に学校名義の財布の開設が難しいとの報告を受けたのか」と尋ねると、張総長は知らなかったかのように「はい?」と問い返した。

 文氏が「(現在の運営上)学校名義では受け取れない」とし、「理事長に10億ウォンを渡したわけではない。子供たちのために使えと、奨学金に使えと10億ウォンを寄付したのだ。受け取る方法も考えていない」と声を高めた。これについて、張総長は「受け取って1年後に現金化しようと思っていた」と答えた。

 学校がコインの価値を高めるために利用されたという指摘も出た。文氏は「仮想通貨市場では、学界や制度圏の地位を認められることが重要だ」とし、「寄付目的ではなく、コイン会社の広報や投資の目的でコインを渡したのではないか」と主張した。

 張総長は「意図はよく分からないが、ウィーメードはわが校の学生が入社したい会社であり、これまでさまざまな協力関係を築いてきた」と反論した。また、上場廃止問題で現金化できなかった後続措置については、「ウィーメードが最近問題になっており、私たちがどうするか方向性を決める過程にある」とし、会計処理も検討するという立場を明らかにした。
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