尹大統領は今月21日から4泊6日の日程でサウジアラビアとカタールを訪問。サウジでは、ムハンマド皇太子の主導で開かれた国際経済フォーラム「未来投資イニシアチブ」に主賓として招かれた。会場へは、ムハンマド皇太子が運転する車の助手席に乗って移動。両氏の親密ぶりをうかがわせた。聯合ニュースによると、尹大統領はフォーラムで演説し、「旅に出る前に同行する友人を選択せよ」というアラブのことわざを引用しながら「韓国は未来のために連帯できる革新的かつ信頼できるパートナーだ」と述べた。また、韓国の強みとして「信頼」「革新」「連帯」の三つをキーワードとして挙げた上で「韓国はこれまで国際社会の支援と支持を通じて成長し、発展した経験を、今後は多くの国と共有し、公的援助や技術・人的交流を大幅に増やし、中東をはじめとする国際社会と共に反映する未来をつくっていく」と強調した。
両国はエネルギー、電気自動車、デジタル、スマートファームなどの分野で計46件の契約、MOU(了解覚書)を締結した。金額としては総額156億ドル(約2兆3300万円)に達する。韓国の現代自動車は、サウジの政府系ファンドPIFと、サウジのキングアブドラ経済都市に自動車組み立て合弁工場を建設すると発表した。韓国紙の中央日報は「中東に初の生産拠点を確保するもので、今後、中東や北アフリカ地域への自動車輸出基地としての役割が期待される」と伝えた。また、両首脳は国防・防衛産業分野においても協力していくことを表明。韓国大統領室は「優秀な防衛産業技術が適用された韓国の兵器体系が、相手国の国防力の強化に役立つよう協力していく」としている。
中東情勢は、イスラエルとイスラム原理主義組織ハマスの交戦で不安定化しているが、両首脳は「いかなる方法であれ、民間人を攻撃することに反対し、人道支援のために国際社会と共に協力する」と述べた。
尹大統領は、サウジに続いて24日(現地時間)にはカタールを国賓訪問した。タミム首長と首脳会談を行い、両首脳は両国関係を従来の「包括的パートナー」関係から、「包括的戦略パートナー関係」に格上げすることで合意。これまでエネルギー分野と建設分野を中心に行われてきた両国の協力を投資や防衛産業、文化などの分野に拡大する方針を示した。この日、韓国のHD現代とカタールの国営エネルギー会社のカタールエナジーが液化天然ガス(LNG)運搬船17隻の建造契約を締結。この契約の締結により、韓国企業の今年の世界LNG運搬船の受注シェアは従来の74%から81%に高まる。現地で会見したチェ・サンモク経済首席秘書官は「ハンファオーシャンとサムスン重工業もカタール側と約30隻を建造するための価格交渉を進めている」と明かし、「近いうちに大きな成果があると期待される」と述べた。また、両首脳はLNG分野の協力をLNG運搬船の建造・運営・維持・補修を含む関連産業全体に拡大することでも合意した。
今回、尹大統領の訪問を機にサウジとは約156億ドル、カタールとは約46億ドル規模の契約・MOUを締結した。原油高の1970年代には中東の主要産油国は韓国に莫大なオイルマネーをもたらしており、今後、韓国に「第2の中東ブーム」が訪れるのではと期待が高まっている。中央日報は24日付の社説で「この機会を低成長局面から抜け出す再飛躍のチャンスにすることを期待する」とした。
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