ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が26日、パク・クネ(朴槿恵)元大統領と会談し「保守大統合」について話し合った。2人が会ったのは2022年5月の尹大統領の就任式以来1年5ヵ月ぶりのことだ。来年の総選挙を控えて与党の安定が危ぶまれている状況で、尹大統領が朴槿恵元大統領と会談することを通じて保守層を結集するためのものとみられている。

先立ってサウジアラビアのカタールを訪問していた尹大統領は26日の午前に帰国した直後、パク・チョンヒ(朴正煕)元大統領の44周忌追悼式に参加した。民族中興会の主催で1980年から毎年開催されている追悼式に現職の大統領が出席したのは今回が初めてだ。国立ソウル顕忠院の朴正熙元大統領の墓地で開かれた追悼式で、尹大統領は朴正熙元大統領の長女である朴槿恵元大統領と向き合った。カタール訪問で疲れた体を休める暇もなく朴元大統領のもとを訪ねたのは、それだけ危機感を感じているという意味でもある。

尹大統領は追悼の辞を通じて朴正熙元大統領を称えた。尹大統領は「就任後、これまで世界92カ国の首脳に会って経済協力について話し合ってきたが、皆が朴正熙元大統領が成し遂げた圧縮成長を羨ましがり、偉大な指導者の決断に敬意を表している」と述べ、「朴正熙元大統領から学ぶことが大切だ。そうすればあなたの国の成長も保障されると常に強調してきた」と述べた。

遺族を代表してあいさつした朴元大統領は、「今日、海外歴訪から帰って来るやいなや、追悼式に出席してくださった尹大統領に深い謝意を表する」と述べた。続いて「今、私たちの前には様々な困難が横たわっている。だが、韓国政府と国民がうまく克服していくだろう」と述べ、「振り返ってみれば大韓民国は建国以来危機ではなかった時がない。しかし、韓国の偉大な国民はこのすべての困難を乗り越えて今日の繁栄を享受している」と述べた。

式典を終えた尹大統領と朴槿恵元大統領は、ともに朴正熙元大統領の墓に礼を捧げた。尹大統領は朴元大統領に対し、政治的課題についての話題は避けて健康状態を尋ねたり、今回の歴訪の成果などについて説明したという。

2人の会談は尹大統領が当選してから3回目のことだ。これに先立ち、尹大統領は当選者の身分だった2022年4月、テグ(大邱)のタルソングン(達城郡)にある朴槿恵元大統領の私邸を訪問し、約50分間にわたり対話を交わしている。さらに同年5月の尹大統領の就任式で短い対話をした後は、これまで2人の直接的な会談の場は持たれなかった。しかし、8月に尹大統領の父親の喪中に朴槿恵元大統領が電話でお悔やみの言葉を伝えている。

政界では、2人が会談を行うことで保守結集の足場が設けられたとみている。いわゆる「保守票田」と呼ばれるTK(大邱・慶尚北道)においてまで尹大統領の支持率が低下しているとの世論調査が出ており、ユ・スンミン元議員とイ・ジュンソク前代表を中心とした新党結成の可能性もあり、来年の総選挙を控えて保守層に亀裂が生じている状態だ。尹大統領がカタール歴訪直後に朴正熙元大統領の追悼式に駆けつけたのも、朴槿恵元大統領に向けた「和解ジェスチャー」を通じて保守の分裂を防ぎ、票を集めたいとの意図と解釈することができる。
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