記者が29日までに見て回ったソウル市ヨンサン(龍山)区の梨泰院一帯は、事故を追悼するムードで閑散としていた。商店やレストランもハロウィンの飾りを掲げていなかった。事故を追悼するために廃業した店舗も相当数あった。流動人口が最も多いと予想されていた27日にも、事故が発生した路地周辺の飲食店では客が1人か2人座るのみのがらんとした様子だった。梨泰院でイベント代行の仕事をしているキムさん(42)は「この場所でイベントや商売をしている方々が多いのに、過去のことで商圏がだめになるのはあんまりだと思う」と残念な気持ちを吐露した。
近くの追悼スペースには多くの人々が足を運んだ。この場所に故人を哀悼するメモを貼りに来たイムさん(28)は「二度とこのようなことが発生しないことを願いながら追悼スペースを訪れた」と語り、「今年はフェンスが張られているが、もっと早くこうして欲しかったと思う」と話した。カナダ出身の40代女性は「友人の友人が昨年ここで亡くなった。名残惜しい気持ちでこの場所に来た」と話し、「二度とこのようなことが起こらないで欲しい」と語った。
普段よりも多くの人が集まると予想されていた弘大や江南駅なども、街の雰囲気は同様だった。ハロウィンのコスチュームを着た人たちは見られたが、にぎやかな雰囲気はなかった。弘大に来ていた大学生のイさん(25)は、「もともとこの時期、弘大はもっと騒がしかったと思うが、今日は思ったより静かだ」と話した。恋人と江南駅に来たというペクさん(29)は「昨年残念な事故があって、みんな街を歩く時も気をつけているようだ」と街の雰囲気を伝えた。
警察・区役所・消防などの関係機関が人数規制と秩序維持のために動いたことも、落ち着いたムードを作るのに役立ったものと見られている。警察は梨泰院と弘大などの地域で安全フェンスを設置し、市民が停滞せずに両方向に行き来できるようにした。また、ホイッスルを吹きながら狭い横断歩道での車両の通行をコントロールし、人々を案内した。マポ(麻浦)区役所は弘大入口駅近くの広場を今月の31日まで使用禁止にするなど、人出を制限する措置を行った。弘大に来ていた20代の大学生のキムさんは「昨年はここまで管理されていなかったけれど、今年は警察官がたくさん配置されていることを感じる」と語り、「少し精神的圧迫感があるが、一方では心強い気持ちもある」と話した。
専門家たちは今年のハロウィン期間中の人出のコントロールが適切だったと評価しながらも、昨年にこのような対処ができていなかった点には残念な気持ちを示した。
コングク(建国)大学警察学科のイ・ウンヒョク教授は「警察が地方自治体などと連携し秩序維持を行い、人の流れを統制する警察官を配置するなどの努力を行ったおかげで、ハロウィーン期間中の事故は起きなかった」としながらも、「このような措置を昨年か一昨年に行っておかねばならなかったのではないかという残念な気持ちが残る」と語った。ユウォン大学警察学部のヨム・ゴンウン教授は「韓国政府と関係機関などが昨年の雑踏事故以降、人出のコントロールのための制度改善と訓練を行った結果、昨年とは異なり今年は無事に期間を終えられて幸い」と話し、「早く制度の改善などを行って対処して欲しかった点は無念さが残る」と語った。
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