「セウォル号救助失敗」海洋警察指揮部に無罪確定…「過失の立証が不足」=韓国
「セウォル号救助失敗」海洋警察指揮部に無罪確定…「過失の立証が不足」=韓国
2014年のセウォル号事故当時、救助業務を十分に行わず約400人の死傷者を出した容疑で裁判にかけられていた海洋警察指揮部に対し無罪が確定した。

韓国最高裁判所は2日、業務上過失致死などの容疑で裁判にかけられていたキム・ソクギュン元海洋警察庁長ら海洋警察指揮部計11人に対し無罪を宣告した原審を確定した。措置履歴を捏造(ねつぞう)するよう指示した容疑を持たれていたキム・ムンホン元モッポ(木浦)海洋警察署長とイ・ジェドゥ元3009艦長に対しては有罪を宣告した原審の判断が維持され、それぞれ懲役1年6か月執行猶予3年、懲役6か月執行猶予2年が宣告された。

被告らは2014年のセウォル号事故で救助業務を十分に行わず303人を死亡させ142人を負傷させた容疑を持たれてきた。1・2審では無罪が宣告された。これに先立ち、セウォル号事故特別捜査団は2020年2月に「セウォル号の現場状況をきちんと把握・指揮・統制し迅速な退船誘導および船体進入指揮などをすべきだったにもかかわらず、十分な救助を行わず人命被害が拡大した」とし、キム元庁長らを起訴した。

1審裁判部は業務上過失を認めるのは難しいとし被告らに無罪を宣告した。裁判部は「被告人らには、セウォル号の船長と船員らが救助業務を放棄し脱出したり、セウォル号の乗客らが退船準備ができていないまま船内放送に従って船内にとどまっている状況を予想できなかったと判断される」とし、「すぐに退船措置が必要な程度に沈没が迫っていたり、船長に代わって退船命令を下すべきだと決定するのは難しかったとみられる」と判示した。

また、「事故当時、救助人員らは映像送出システムを持っておらず、被告人らがセウォル号の乗客の状況と沈没状況の切迫性を認識することは難しかった」とし、「各級状況室との技術的な問題などにより通信が円滑でなかった事情を挙げ、被告人らに具体的な救助任務と関連した業務上過失が認められるとは判断し難い」と付け加えた。

2審の判断も同様だった。裁判部は、「事故当時、ソヘ(西海、黄海)地方海洋警察庁の状況室がチンド(珍島)海上交通管制システム(VTS)から伝達され認知していた情報は、セウォル号が約50度に傾き乗客の非常脱出の可否を問うという制限的な情報」だったとし、「これらを根拠にセウォル号の沈没が迫っていたにもかかわらず乗客が船内に待機中だという事実を予見するのは難しかっただろう」と判断した。

最高裁は業務上過失に対する証明が足りないとの原審の判断をそのまま受け入れた。最高裁は、「被告人らに対する公訴事実を無罪と判断した原審の判断に業務上注意義務違反などに関する法理を誤解したり判断を誤った過ちはない」と説明した。

Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 85