「パタヤ殺人事件」主犯に懲役17年の刑が確定＝韓国

タイのパタヤで不法賭博サイトを運営し、雇用した韓国人を殺害した容疑で裁判にかけられていた「パタヤ殺人事件」の主犯キム被告に対し、最高裁判所が懲役17年の刑を確定した。

最高裁判所は9日、殺人、死体遺棄などの容疑で起訴されたキム被告に対する上告審宣告期日を開き、キム被告の上告を棄却し被告人に対する公訴事実全てに対し有罪を宣告した原審判決（懲役17年など）を確定したと明らかにした。

最高裁は、「原審で殺人の故意、共同意思、死体遺棄罪の成立などの関する法理を誤解した過ちはない」とし、「記録に表れた量刑の条件となるさまざまな事情などをみると、上告理由で主張する事情を酌量しても原審が懲役17年を宣告した第1審判決をそのまま維持することが妥当だといえる」と判示した。

韓国の暴力組織員だったキム被告は2015年11月、パタヤのリゾート付近で共犯のユン被告とともに自身が雇用した20代のプログラマーAさんを暴行し殺害した後、遺体を遺棄した容疑で裁判を受けてきた。

キム被告とユン被告はサイトを統合管理するシステムを開発するためAさんを雇用した。2人はAさんが適期にシステムを開発できず、会員情報などを盗み取っていると疑い、野球バットやスタンガンなどを使用し常習的に暴行していたことがわかった。

Aさんは韓国に逃げようとしたものの空港で2人に捕まり、Aさんに対する暴行は続いたという。Aさんが暴行される音声を録音しファイル共有サイトに掲載した事実が明らかになると、激憤した2人はAさんを殺害したと調査された。

検察は2018年5月、殺人容疑に対する証拠不足によりキム被告を共同監禁などの容疑で先に裁判にかけ、その後、補強捜査を通じ殺人・死体遺棄の容疑で追加起訴した。

2021年2月に1審はキム被告に懲役17年を宣告し10年間の電子足輪（位置追跡装置）装着命令を下した。当時、裁判部はタイで行われた犯行の特性上、直接証拠が少ないとしながらも、間接証拠をもとに公訴事実全てを有罪と判断した。ことし5月に2審裁判部はキム被告と検事側の控訴を全て棄却した。