ソウル瑞草警察署のソン・ウォンヨン署長は14日午前の会見で、「故人の同僚教師や友人、保護者に対する調査など、これまで確保した資料から犯罪の疑いがあると見られる事実は発見できなかった」と発表した。
また、「警察の調査内容と国立科学捜査研究院の心理学的剖検の結果などを総合してみると、故人は昨年、瑞草区の小学校に赴任してから学校に関わるストレスを受けていた」とし、「そのような中で、今年になってからクラスの子供たちの指導や保護者、学校業務、個人的な事情などのさまざまな問題が複合的に関わり、故人が自ら命を絶ったと推定される」と説明した。
さらに、「故人が命を絶った理由と背景などを明らかにするため、故人の通話履歴、業務用アプリ、病院診療履歴などを分析し、遺族や友人、両親などを幅広く調査した」とし、「(Aさんの)死亡動機として提起された保護者による持続的な嫌がらせや暴行、強要などの行為があったかどうかを綿密に調査したが、そのような事実は発見できなかった」と付け加えた。
警察は特に「鉛筆事件」以降、保護者らがAさんの携帯電話に何度も連絡するなど嫌がらせをしたという疑惑についても捜査したが、保護者の暴言などの嫌がらせ行為はなかったという。鉛筆事件は、Aさんが亡くなる6日前の7月12日に起きたもので、Aさんのクラスで一人の生徒が他の生徒の額を鉛筆で傷つけた事件だ。
警察関係者はこの日、「故人と保護者間のハイトーク(業務用メッセンジャー)やテキストメッセージの会話内容、業務用パソコンやノート、日記などを分析した。保護者から提出された携帯電話のフォレンジックの内容や、(鉛筆事件)保護者の仲裁時に出席した教師と友人なども幅広く調査したが、暴言などの事実は発見されなかった」と述べた。
警察は、保護者がAさんの携帯電話に連絡し続けたという疑惑についても、保護者がAさんの携帯電話にかけたことは確認できなかったという。ただ、警察は「保護者が故人に一般電話からかけたことを故人が携帯にかかってきたと勘違いした可能性がある」と述べた。
Aさんは1台の携帯電話で、業務用と個人用の電話番号をそれぞれ使い分けていた。そのため、保護者が校内電話からかけて着信転送されたものをAさんが個人の電話番号にかかってきたものと勘違いしたというのが警察の説明だ。
警察は、故人の携帯電話はiPhoneのパスワードを解読できず、フォレンジックができなかった。ただし、カカオトークの会話内容などは、Aさんの携帯電話と連動されたiPadを通じて確認したという。
警察は今回の事件発生後、瑞草警察署長をチーム長にした20人規模の担当チームを組織し、故人の遺族や同僚教師、友人、保護者など68人を調査した。また、法医学者や医師、弁護士など外部委員が参加した「変死事件審議委員会」も開いたという。
一方、警察は「該当の事件とは別に、鉛筆事件の告発事件とその他の名誉き損など一連の事件は通常の捜査手続きに従って捜査を進め、最終的に終結する予定だ」と述べた。警察は鉛筆事件の保護者がネットユーザーを名誉き損で告訴した事件と関連し、現在までに40件を確認し、13人の身元を特定した。
警察はこのうち、他の警察署管内に住所を持つ10人に対しては事件を移送し、人的事項が確認されていない25件については引き続き捜査する予定だという。
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