朝鮮中央通信は22日、「国家航空宇宙技術総局は11月21日22時42分28秒にピョンアンプクド(平安北道)チョルサン(鉄山)郡ソヘ(西海)衛星発射場から偵察衛星『マンリギョン(万里鏡)1』を新型衛星運搬ロケット『チョンリマ(千里馬)1』に搭載し成功的に発射した」と報道した。また、「千里馬1」は発射から705秒後の22時54分13秒に偵察衛星「万里鏡1」を軌道に安着させたと伝えた。
北朝鮮は当初、22日午前0時から来月1日の間に人工衛星を発射する予定だと発表したものの、この期間を守らなかったことになる。
これをめぐり、韓国国家戦略研究院ミサイルセンターのチャン・ヨングン所長は、「北朝鮮のこのような通知は形式的なものとみられる」とし、「このような奇襲発射は米韓の発射探知および追跡の隙を狙ったものとみられる」と分析した。
また、「ロシアとの会談後、ロシアのエンジニアが北朝鮮に入り現在までの北朝鮮による発射失敗の分析結果を協議し当時のテレメトリデータを議論した上で、ロシアがこれを確認および検証するというレベルの支援があったとみられる」とし、ロシアの助言があったものと推定した。
イファ(梨花)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授は、「競争構図までではないが韓国に気にして主導権を取られないように発射した」とし、「北朝鮮の立場としては性能よりも発射体が爆破せずに発射され分離されることにだけ焦点を合わせたとみることができる」と説明した。
韓国軍は今月30日に初めてとなる独自の偵察衛星を米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から発射する。発射体はイーロン・マスク最高経営者が設立した「スペースX」の「ファルコン9」だ。北朝鮮は韓国より先に成功するため、きょう奇襲発射を敢行したものとみられる。
韓国政府はきょう、南北間の相互信頼が回復されるまで「9・19軍事合意」の効力の一部を停止した。これにより軍事分界線一帯での北朝鮮に対する偵察・監視活動が直ちに再開される。英国を国賓訪問中のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領もきょう臨時国務会議で議決された9・19軍事合意第1条第3項に対する効力停止案件を裁可した。効力が停止された9・19軍事合意第1条第3項は、軍事分界線上空で飛行禁止区域を設定した条項だ。
これをめぐり北韓大学院大学ののヤン・ムジン教授は、「軍事合意の効力停止は悪水中の悪水」とし、「対話のない中で効力停止といっても、元に戻すことはできないだろう。パク・クネ(朴槿恵)政府時代のケソン(開城)工業団地撤収に次ぐ悪水」と評価した。
パク教授は、「われわれが9・19合意の1条3項を効力停止すれば、北朝鮮は合意自体を無効化するかもしれない」とし、「9・19軍事合意がなくなれば、北朝鮮は再び注目を集めるためNLL(北方限界線)挑発などに出る可能性がある」と話した。
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