韓国、従業員のいない「一人社長」が4か月で10万人減…高物価・高金利で消費冷え込み
韓国、従業員のいない「一人社長」が4か月で10万人減…高物価・高金利で消費冷え込み
韓国では、一人社長を指す「従業員のいない自営業者」が今年10月までの4か月間で10万人も減ったことが分かった。廃業店舗の撤去支援を求める件数も過去最高に達する見込みだ。自営業多重債務者の延滞額は13兆ウォン(1兆4500億円)に上る。

 高騰する物価とそれに伴う高金利が零細中小企業に打撃を与え、自営業者が経営危機に陥っている。利息費用が10%以上増加した中で、一人社長の4割は、来年度の最低賃金を下回る事業所得しか得られていないという。

 5日、国家統計ポータル(KOSIS)の従業上の地位別就業者データによると、一人社長は今年6月に438万7000人だったが、10月には428万7000人に減少した。今年1月に409万9000人だったものが、その後6か月間で約30万人増加したものの、最近4か月間(7月~10月)では10万人減った。

 実際に廃業店舗の撤去支援を受ける事例も急増している。与党「国民の力」チョン・ウンチョン(鄭雲天)議員室が中小ベンチャー企業省から入手した資料によると、今年8月末時点で、中小企業の廃業店舗撤去支援事業の申請件数は2万4514件に達した。昨年同期(1万6887件)と比べて1.4倍に増えた。

 これは所得が減少したためとみられる。マイクロデータ統合サービス(MDIS)で家計動向調査を分析した結果、一人社長の5分位事業所得は第1四半期の252万ウォンから20万ウォン以上減った。4分位事業所得平均は196万8000ウォンで、来年度の最低賃金(時給9860ウォン)を月209時間労働基準で換算した月給(206万740ウォン)よりも低い。

 自営業者の所得減少は、高物価・高金利で消費が冷え込んだことによるとみられる。10月の消費者心理指数(CCSI)は98.1で、9月(99.7)より1.6ポイント下落した。今年7月に103.2まで上昇した後、3か月連続で下落している。

 一方、高金利に伴う利息費用の急増にも頭を悩ませている。MDISで家計動向調査を分析した結果によると、一人社長の利息費用は10万9000ウォンから12万4000ウォンとなり、1万5000ウォン(13.7%)増加した。また、常用労働者は7.1%増加にとどまった。日雇い労働者、その他従事者、臨時労働者はむしろ減少した。

 零細中小企業が危機に追い込まれ、巨額の債権不良が発生する可能性も大きくなった。韓国銀行が国会企画財政委員会所属のヤン・ギョンスク(粱敬淑)議員(共に民主党)に提出した市区別の自営業多重債務者ローン現況資料によると、第2四半期末の自営業多重債務者数は177万8000人に達した。

 延滞額は13兆2000億ウォンで、延滞率は1.78%を示した。昨年第2四半期末の延滞額5兆2000億ウォンの約2.5倍に達し、延滞率も0.75%から2.4倍に急上昇した。同銀行が定義した延滞額は、元利金を1か月以上返済できなかった自営業多重債務者の融資額全体を指す。延滞率は、このように推定された延滞額が全自営業多重債務者の融資で占める割合を示す。

 企業も小規模ほど高金利に耐えられない。銀行圏の中小企業融資残高が初めて1000兆ウォンを突破した中、破産を申請した中小企業の数も過去最大の水準に増えた。

 韓国銀行によると、今年10月末の預金銀行の中小企業融資残高は998兆ウォンで、1か月間で3兆8000億ウォン増えた。11月末の数値は発表されていないが、最近の増加傾向を考慮すると、1000兆ウォン突破が確実視される。中小企業融資残高は新型コロナウイルス感染症以降、急増した。今年10月末の数値を新型コロナ発生前である4年前(2019年10月末)と比べて、283兆ウォン増加した。増加規模はそれ以前の4年間(155兆ウォン)の約2倍になる。

 新型コロナの被害から十分に回復できなかった中小企業が高金利、高物価などで苦戦し、ローン延滞率も高くなった。金融監督院と最高裁判所によると、預金銀行の今年9月の中小企業融資の延滞率は0.49%で1年前(0.27%)の1.8倍水準に上昇した。この数値は昨年9月の0.27%から今年8月には0.55%まで上昇したが、9月には四半期末の償却や売却などでやや低下した。しかし、融資の延滞率は今後上昇する可能性がある。

 今年1~10月に全国の裁判所で受け付けた法人破産申請件数も1363件で、前年同期比66.8%急増した。これは関連統計がある2013年以降、最大だ。新型コロナ発生の初年度である2020年の既存最大値(1069件)も大きく上回った。破産申請する企業はほとんど中小企業だ。

 中小ベンチャー企業研究院のノ・ミンソン研究委員は、「高金利、高物価、原油価格の状態が続き、中小企業は引き続き困難な状態が続くだろう」とし、「物価のせいで支援資金を投入することも容易ではなく、銀行が融資を引き締めれば、中小企業の倒産の可能性はますます大きくなるだろう」と診断した。
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