国際原油価格が安定化して物価上昇は鈍化したが、農産物などの食料品関係は依然として高値が続いている。イスラエルとハマスの衝突に加えてOPECプラスが追加での減産に合意するなど、国際原油価格が不安定化する要素も依然として残っており、物価の安定基調が定着するまでには相当な時間がかかるものとみられている。

統計庁が5日に発表した「11月消費者物価動向」と題された報告書によると、11月の消費者物価指数は112.74(2020年を100とする)で前の年の同じ月に比べて3.3%上昇した。依然として3%台の高い物価上昇率が続いているものの、上昇幅は8月の3.4%、9月の3.7%、10月の3.8%よりも下がった。

全体の物価を下げたのは、国際原油価格の安定傾向に転じたことが原因だ。10月にブレント原油価格ベースで1バレル当り90ドルを超えていた国際原油価格が先月には70ドル台後半まで急速に下落し、物価に与える影響が高い石油類の価格を押し下げたためだ。11月の石油類の物価寄与度はマイナス0.25%で、原油価格が高い水準で推移していた10月の0.06%より4倍以上物価を下落させる要因として働いた。

しかし、全体の物価の安定傾向とは異なり、農産物などの食料品の価格が高止まりしているのは相変わらずだ。異常気象と作況不振の影響による農産物価格の上昇傾向が続いているためだ。

11月の農産物物価指数は前の年に比べて13.6%上昇し、2021年5月の14.9%以来30ヵ月ぶりの大幅な上昇となった。農産物物価指数は穀物・野菜・果物やその他農産物の物価を総合したもので、食料品関連の物価の中心となる指数だ。11月の農産物物価上昇率への寄与度は0.57%で、先月の物価上昇率(3.3%)の約4分の1に達している。農産物の中でもリンゴのような果実類の上昇率が前の年に比べ24.1%と高かった。

農産物の高騰は消費者の心理に大きな影響を及ぼしている。いわゆる体感物価と呼ばれる生活物価指数は前の年の同じ月に比べ4%上昇し、3ヵ月連続で4%台を維持している。この数値は物価指数の上昇幅が拡大し始めた8月の3.9%より高い。また、消費者が在来市場や大型スーパーで買い物かごに入れる野菜や果実を含めた生鮮食品指数も、農産物価格上昇の勢いに乗り前の年の同じ月に比べ12.7%上昇した。

延世大学経済学部のソン・テユン教授は「物価上昇率3.3%は決して低いとは言えない数値で、農産物の価格が上がり過ぎているために物価指数が低くなったとしても国民が物価が下がったと体感するのは非常に難しい」と述べ、「国際原油価格もまた中東紛争により依然として物価に影響を与える要因と見なければならない」と述べた。
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