韓国が政府の供給網の司令塔が不在の中で、尿素をはじめとする素材や部品供給の危機が繰り返されているのとは対照的に、日本政府は早くも司令塔を構築して対応している。欧州連合(EU)や米国も供給網の安定において韓国より大きくリードしていると評価されている。

日本は2022年8月、経済安全保障推進法を制定し、韓国の大統領室にあたる内閣官房の傘下に司令塔を作った。この部署は商品・サービス・特許などの主要な供給網の全分野に対応している。

国民生活に必ず必要な品目の中で特定国依存度が過度だったり、相手国が輸出規制で供給中断の可能性がある品目を「主要物資」に指定し管理する。 関連技術開発に5000億円(約4兆5000億ウォン)の予算を策定し、自立化を支援している。

これは、日本が韓国のように尿素水の供給不足による大混乱の事態を避けることができた背景として挙げられる。日本は低い価格競争力と環境問題にもかかわらず、現在まで自国の尿素需要の70%以上を自給しているとされる。韓国も2011年までは尿素を生産する企業があったが、収益性の問題で廃業し、その後12年間にわたり全量を輸入に依存している。

韓国外国語大学融合日本地域学部のイ・ジピョン特任教授は「日本は経済安保推進法により、主要物資の供給網を企業だけに任せるのではなく、政府が一定水準の支援をしながら管理している」と述べ、「半導体、バッテリー、レアアース、医薬品などの戦略産業はもちろん、尿素のような必須品目の供給網も確保している」と説明している。

米国はまだ政府がすべての物資を包括する供給網の管理システムを備えていない。問題が起こった時に専門担当班を編成して事態に対応するという点で、韓国と似ている面もある。しかし、2022年の半導体支援法とインフレ削減法のように、産業全般の素材や部品を国産化させることに誘導するための強力な支援策を推進している。また、危機が発生した時には強力な国家権限を行使する「国防物資生産法」を活用したり、大統領が行政命令で財源を確保できるという点で、韓国よりも先んじていると評価されている。

EUも最近半導体やバッテリー・原材料など6大産業分野の約100品目に対する対米国・中国の依存度を減らすために1450億ユーロ(約23兆円)規模の予算を投入するプロジェクトを進めている。また、現在供給網を安定化するための総括調整の役割を果たしているEU執行委員会傘下の諮問機構を中心に、EU内の供給網を一層強化するためのさまざまな法制化作業も並行して行っている。
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