<W解説>「BTS」全員が兵役に=入隊に至るまでにも大きな役割を果たしたメンバーたち
<W解説>「BTS」全員が兵役に=入隊に至るまでにも大きな役割を果たしたメンバーたち
世界的な人気を誇る韓国の男性音楽グループ「BTS(防弾少年団)」のメンバー、JIMINさんとJUNG KOOKさんの2人が今月12日、韓国陸軍に入隊した。これでメンバー7人全員が兵役に就いた。所属事務所は2025年ごろに全員での活動再開を目指すとしている。「BTS」メンバーの入隊をめぐっては、韓国経済への寄与や社会的貢献が大きいとして免除措置を含めて韓国国会で議論されてきた。そうした議論の中で韓国国会は2020年、兵役法を改正。「大衆文化芸術分野」の功労者は入隊を30歳まで延期できるようになった。エンタメ界で絶大な影響力を持つ「BTS」だが、メンバーの入隊をめぐる議論は、韓国国民が兵役制度の在り方を今一度考える機会にもなった。

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韓国では原則、18歳以上の男性に18~21カ月の兵役義務がある。2020年の兵役法改正により、「大衆文化芸術分野」の功労者の入隊期限が28歳から2歳引き上げられ、30歳まで延期できるようになった。法改正前、「BTS」の最年長メンバー、JINさんの入隊期限が迫っており、活動の休止を少しでも遅らせたいという熱烈なファンの願いが国政を動かすこととなった。

法改正によりJINさんの入隊は延期されたが、その後も「BTS」メンバーの入隊をめぐる議論は続いた。国民からは「BTS」メンバーに入隊時期延長ではなく兵役特例を適用するよう求める声が次第に高まっていった。兵役特例は、芸術・スポーツ分野の特技を持ち、文化体育観光部(部は省に相当)が推薦した人が芸術・スポーツ要員として兵役を代替できるようにするというもの。事実上の兵役免除だ。対象は▼五輪3位以上の入賞者▼アジア大会1位の入賞者▼国際芸術コンクール2位以上の入賞者▼国内芸術コンクール1位の入賞者となっている。しかし、「BTS」のような大衆文化芸術者は対象に含まれていない。BTSが世界的な活躍を見せる中、国民から「芸能人も国威発揚に貢献しているのに兵役特例の対象にならないのはおかしい」との声が上がった。

世論の高まりを受け韓国国会は、兵役特例を盛り込んだ兵役法改正案について議論を重ねたが、特例対象を広げることには慎重な意見もあり、遅々として結論は出なかった。特例に慎重論も根強かったのは、対象をむやみに広げれば兵役そのものが成り立たなくなる上、一般の対象者から公平性の観点から不満も上がって、円滑な兵役の推進に支障をきたすことへの懸念があったからだ。

最終的にどのような結末となるのかファンはもちろん、国内外のメディアも注目し続けた中、所属事務所は昨年10月、JINさんが軍入隊延期の取り消しを申請し、兵務庁の入隊手続きに従うとの方針を明らかにした。その後、所属事務所は昨年12月、JINさんの軍入隊を公式に発表し、JINさんは同月13日、韓国陸軍に入隊した。

その後、他のメンバーも順次入隊。今月12日にはJIMINさんとJUNG KOOKさんが陸軍新兵教育隊に入った。これでメンバー7人全員が兵役に就いた。

韓国メディアのOSENは「1年にわたって続いた『入隊リレー』が終わった」と伝えた。その上で同紙は、「BTSの入隊風景は他のアイドルスターとは違う点があった」とし、各メンバーの入隊時にはメンバー全員が一緒だったと指摘した。JINさんがメンバーの中で最初に入隊した際は、他の6人全員が入隊現場に一緒に入り見送った。メンバーたちはその後、順次入隊するが、先に服務についたメンバーたちは休暇を取り、仲間の入隊を見送った。同紙は「いつもメンバーたちは一緒にいた。長い時間を一緒に活動しながら家族のように過ごしてきただけに、特別な人たちへの愛情と関係を感じられる光景だった」とした。また、同紙は、ファンの行動も他のアイドルスターの入隊時とは異なると指摘。「ARMY(BTSのファン)たちはBTSのお願いをよく聞いてくれた」とし、入隊現場に駆け付けることを自粛するよう求める「BTS」メンバーの意を汲み、多くのファンが現場を訪れはしなかったという。記事は「メンバーたちは義理を守り、ファンは秩序を守った」と指摘した。

「BTS」は、全員が兵役を終える2025年の活動再開を目指す。今月11日に陸軍に入隊したリーダーのRMさんは「真の第2章を楽しみにしていて下さい」と呼び掛けている。

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