政務委はこの日の午前に全体会議を開いて法案を処理しようとしたが、国民の力が案件調整委員会への回付を申請した。政務委内で数的優位を占める民主党の単独処理にブレーキをかけるための試みだった。案件調整委員会は、与野党間で争点となった法案を最長90日間審議し、委員6人中4人が賛成すれば通過させる常任委員会内の機構だ。しかし、構成員は民主党3人、国民の力2人、非交渉団体1人(進歩党)で、やはり野党が数的優位を占めている。政務委は与党の要請により同日午後に案件調整委員会を開いたが、ここでも与党議員が不参加の中、野党のみで法案を議決して全体会議に移した。続いて開かれた全体会議にも与党議員は出席しなかった。
民主有功者法は、憲法が目指す自由民主的基本秩序の確立のために、犠牲や貢献が明らかに認められ、さらに社会的な共感が形成された人のうち、国家報勲省の審査を経て有功者待遇を受けるという内容だ。すでに関連法令がある4・19(四月革命)や5・18(光州事件)以外の民主化運動で、死亡・負傷・有罪判決などの被害を受けた人を優遇することが目的だ。
法案は、民主有功者とその遺族または家族を犠牲と貢献度に応じて優待するが、生活水準と年齢などを考慮して優待の程度を変えられるようにした。共に民主党は報恩の盲点に置かれた民主化運動の被害者を相応に礼遇すべきだと主張している。国民の力は「偽の有功者を増やす法案だ」と批判している。昨年7月に法案審査1小委員会でも与野党の激論の末、野党のみで法案を処理した。
国民の力のカン・ミングク(姜旻局)議員は全体会議で、「警察官が死亡した東義大事件、活動資金を調達するために武装強盗を犯した南民戦事件の関係者がすべて民主有功者審査の対象になっている。内容に問題が多い」と主張した。
一方、野党幹事である民主党のキム・ジョンミン(金鍾民)議員は、「姜議員が言った方々を民主有功者に指定する法案ではなく、社会的共感が明らかな人のうち、国家報勲省の審査を通過した方々を称えようということだ」と述べた。
与野党間の口論の末、一斉に退場した与党議員らは国会で記者会見を開き、「民主党の主流である運動圏勢力が代々受け継ぐ既得権を享受するために作った運動圏特恵相続法だ」と非難した。
法案議決に先立ち、パク・ミンシク(朴敏植)国家報勲相は「惨たんたる気持ちだ。韓国の方向性と価値を完全に覆す反憲法的な法律である。与野党の合意なしに処理された。国民はだれも共感しないだろう」と述べた。
また、「どんな事件を民主有功事件と認定するか社会的な合意もまったくなく、認定基準と範囲が法律に明確に規定されなければならないという最小限の原則も守らなかった。ブラックな法律で、審議の基準もなく対象もわからないようなものを法と言えるのか」と指摘した。
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