ヒョンデ(現代)自動車がことし、サムスン電子の営業利益を上回る見通しだ。14年ぶりにサムスン電子を抜いて韓国の上場会社の営業利益ベースで1位に返り咲くことになるが、信用格付け「AAA(トリプルエー)」の復帰にも注目が集まっている。現行の信用格付けでは「AAA」は民間企業としての最高ランクを意味する。

金融投資業界によると15日、NICE信用評価は現代自動車の長期信用格付けをAA+に据え置き、格付け見通しを従来の「安定的」から「肯定的」に引き上げた。ピークアウトの懸念にもかかわらず、完成車の販売実績が優秀な水準を維持しており、豊富な現金の流動性など財務安定性も高いとの理由からだ。

現代自動車の今年の第3四半期の連結ベースの売上高は41兆27億ウォン(約4兆4800億円)、営業利益は3兆8218億ウォン(約4兆1800億円)と集計された。これは第3四半期として過去最大の実績で、2022年の年間実績を上回った。

現代自動車は2021年、工科大学のモジュール型電気自動車プラットフォームであるE−GMPが市場で好評を博し、最近米国や欧州などの自動車市場で販売シェアを伸ばしている。米国での現代自動車グループの販売シェアは2017年の7.2%から2023年9月末時点で10.3%に、同期間の欧州での販売シェアは5.3%から7.1%に増加した。

NICE信用評価のホン・セジン研究員は「このような過程で内燃機関に強みを持ち、中国市場への依存度が高かったフォルクスワーゲンやGM、日産ルノーは、中国の自動車産業が自国の電気自動車ブランド中心の市場に変化するなど、ここ数年間で販売シェアが下落する傾向にある」と述べた。

製品競争力の向上による販売力の改善で、営業収益性も大きく改善された。9月末の累積ベースで現代自動車の営業利益率は10.1%と集計され、フォルクスワーゲンの6.8%、GMの7.1%、日産ルノーの6.5%などを上回る水準だ。

財務の安定性も優れている。9月末の連結ベースで、現代自動車の負債比率は65.4%、現金性資産は20兆4000億ウォン(約2兆2300億円)、借入金は6兆2000億ウォン(約6780億円)水準だ。ホン研究員は「研究開発資金などがかさみ中期的な投資は例年を上回るが、借入金を大きく上回る現金性資産などを保有しているという点で優秀な財務安定性が維持される見通し」と付け加えた。

6日にNICE信用評価とスタンダード&プアーズ(S&P)が共同で主催した「戦争、そして負債の重さ」と題したセミナーでも、現代自動車の格付けの引き上げについて検討が可能だという意見が出た。

NICE信用評価のチェ・ウソク常務は「今年の現代自動車は実績も優秀で財務も強化されている」と述べ、「AAAの格付け等級を獲得するためには電気自動車への変革戦略に対応することができるかや、来年も良好な実績を見込めるのか、北米市場での日本企業との競争でどのような成果を見せるのかなど、可変的な要素についてもう少し見守らなければならない」と答えた。

これに先立ち現代自動車は2019年、国内の信用格付け会社3社からAAAからAA+へと格付けが一斉に下方修正され、2013年にAAAを獲得してから6年で「韓国で最高の信用等級企業」という別名を返上した。当時、主要輸出国である中国市場の不振の長期化などが信用等級下落の理由として挙げられていた。

現在、韓国の国内企業のうちで公企業と金融機関を除いて信用格付けがAAAの企業はSKT、KT、KT&Gの3社のみだ。かつての公企業で国家の基幹産業を受け継ぎ、政府からの支援を受けられることが信用度に反映されたためだ。

また、現代自動車の信用格付け引き上げの可能性が増し、現代自動車グループ内の系列会社の信用度が連鎖的に高まる可能性も高まった。系列会社全般の現代自動車に対する依存度が高いためだ。
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