個人再生申請者に占める営業所得者と給与所得者の割合のグラフ
個人再生申請者に占める営業所得者と給与所得者の割合のグラフ
ソウル市チュンナング(中浪区)で2年間にわたってデリバリー専門のカンジャンケジャン店を経営していたクォンさん(35)は9月、ソウル再生裁判所に個人再生を申請した。事業がうまくいっている時には月に2000万ウォン(約219万円)以上の売上を記録していたが、新型コロナウイルスの感染拡大期以降は状況が急転した。ソーシャルディスタンス措置の解除により、売上は2022年の2月から月に300万ウォン(約32万8000円)ずつ減少した。さらに生活資金として使うために貯蓄銀行から借り入れた金額を含めた約9000万ウォン(約985万円)の借金は雪だるま式に増加した。クォンさんは「年4%から5%台だった信用融資の金利が最近は14%から15%まで上昇し、6月から利子を延滞する事態まで発生した」と話し、「2人の子供の養育もあるので、『息をしているだけでも』月に300万ウォンは出ていく」と吐露した。クォンさんは日雇い労働をして月に55万ウォン(約6万円)ずつ5年かけて借金を返済し、残りは帳消しになる返済計画案の認可を待っているところだ。

財産よりも借入金の方が多くなった自営業者が負債を帳消しにすることを求めて裁判所に個人再生を申請するケースが急増している。個人再生は一定期間(原則3年、例外5年)毎月着実に返済を行い、一定金額を満たせば、残りの借入金は免責を受けることができる手続きだ。

17日にソウル再生裁判所から提供を受けた資料によると、今年の1月から10月までソウル再生裁判所に申請された個人再生件数は2万458件で、このうち自営業者の申請件数は4735件だったことが確認された。これまでも個人再生の申請件数が増えているという指摘は多くあったが、具体的な自営業者の申請件数が確認されたのは今回が初めてだ。今年の10月までの自営業者の再生申請件数は、すでに2022年の件数の2倍を超えている。前の年の同じ時期に比べると2.7倍の規模に達する。

個人再生申請者のうち、給与所得者は1万4591件(71%)で、営業所得と給与所得の両方がある者は1132件(6%)だった。特に自営業者の個人再生申請が1年間で2.7倍に急増したのに対して、給与所得者の個人再生申請は20%の増加に止まっている。このため、個人再生申請件数全体で自営業者が占める割合も今年の10月までに23%で、1年前に比べて約2倍近く増えている。

自営業者の個人再生申請が増加している背景として「新型コロナ融資後遺症」が本格化していると分析されており、特にクォンさんのように借入金のために個人再生に陥る自営業者が急増すると懸念されている。

韓国金融研究院のシン・ヨンサン金融リスク研究センター長は「景気が改善しているというが、これは半導体などの輸出をしている大企業の話であり、家計負債のために消費余力がなく内需は改善していない」と述べ、「経営状況の厳しい自営業者が順次事業を整理することができるよう、政府主導の政策が必要だ」と述べた。

中小ベンチャー企業研究院のノ・ミンソン研究委員は「構造的に事業をこれ以上続けることが難しい自営業者の円滑な廃業や事業転換をサポートすることが重要だ」と述べ、「廃業費用だけで1000万ウォン(約110万円)以上かかるという調査もある」と語った。さらに「廃業費用をサポートし、廃業した自営業者の就職を支援するためのコンサルティングや教育訓練、職業あっせんの活性化を行うべきだ」と強調した。
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