尹氏は「前例のないグローバル複合危機の中で民生を守るために最善を尽くしてきた」と振り返った。就任直後に非常経済民生会議を新設し、危機対応と民生問題に直接関与したと説明した。
財政政策については、「総選挙を控えて財政を拡大しようとする誘惑があるが、政府がお金を使いすぎると、民間や市場主導の投資が難しくなる」と指摘した。国債金利の上昇が企業の資金調達や投資に影響を与えると懸念した。先週訪韓したクリスタリナ・ゲオルギエバIMF総裁も財政余力を確保することが重要だと強調し、韓国政府の健全財政基調を支持したと明らかにした。
イギリスの週刊誌エコノミストがOECD35か国の経済成績で韓国を2位に評価したことに触れ、「世界的な複合危機でも韓国政府の健全財政政策が適切だったことを示す」と強調した。
一方、政治理念が経済に介入することへの警戒心も示した。大統領室の関係者は「経済が公正に回るようにするために、過度なイデオロギーや政治が介入して自由な市場活動を妨げることを防ぐ必要がある」という趣旨だと伝えた。
尹氏は民生関連のメッセージも発信した。「必要不可欠な生計費負担を軽減し、庶民向け金融供給も拡大する」と約束した。企業家たちに対しては「国内外の経済環境が厳しい中でも、危機を克服し、グローバルリーダー国家に跳躍できる」と呼びかけ、「チーム・コリア」の精神で力を合わせるよう求めた。
この日の懇談会にはSKグループ会長で大韓商工会議所会長も務めるチェ・テウォン(崔泰源)氏が出席者を代表し、現政府のマクロ経済リスク管理や民間中心の経済政策推進に感謝を伝えた。釜山エキスポ誘致の失敗については「結果は残念だったが、新しい市場でビジネスチャンスを得られ、多様なネットワークを広げられた」と評価した。昼食に先立ち、イ・ジェハ(李在夏)大邱商工会議所会長は「企業がすなわち国家」と乾杯のあいさつをした。
尹氏は懇談会を終え、「地域商工会議所の会長が乾杯のあいさつで、企業がすなわち国家と言ったが、200%、300%同意し、共感する」とし、「企業は資本と労働、技術と革新が集まって価値を創出し、創出された価値を互いに共有して私たちの生活を営む場所だ。労働者を搾取する場所ではなく、労働者の生活の場となる企業を政府が支援することが労働者を助ける近道だと思う」と述べた。
この日の懇談会には大韓商工会議所の崔泰源会長をはじめ、全国商工会議所会長団、ソウル商工会議所会長団、ソウル市各区商工会議所会長団などが出席した。政府からはパン・ムンギュ(方文圭)産業通商資源相らが、大統領室からはイ・グァンソプ(李官燮)政策室長、ファン・サンム(黃相武)市民社会首席、パク・チュンソプ(朴春燮)経済首席、パク・ソンテク産業政策秘書官など約100人が出席した。
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