韓国政府は中国から輸入される尿素の需給不安について、国内の在庫と中国以外からの輸入予定量を合わせて6カ月分以上の尿素を確保したと発表した。また、尿素の国内生産の可能性を含めた中長期的な需給不安への対応策も急ぐことにしている。

産業通商資源部は20日、ソウル大韓商工会議所で尿素の安定供給のための方案づくりのための専門家懇談会を開き、韓国国内の尿素の需給状況と今後の対応策を発表した。

韓国はディーゼル車の排出ガス低減装置の稼動に欠かせない尿素水の原料である尿素の90%以上を中国からの輸入に依存しているが、中国当局が2021年に公式に輸出制限を行ったのに続き、今月初めに非公式に輸出制限措置を取り、国内での需給不安の懸念が再発した。2011年までは韓国国内にも尿素を生産する企業が存在したが、この企業では収益性の問題のため生産を中断し、現在は海外、特に中国製に依存している。

産業通商資源部の関係者は「(代替輸入先を確保していなかった)2021年と違い、現在(18日時点)は国内の在庫と中国以外からの輸入予定量を合わせ、6ヵ月分以上の物量を確保している」と述べ、「来年1月に1万2150トン、2月にも1万4000トンが支障なく輸入される予定だ」と伝えた。

韓国政府は中国からの尿素の需給不安が繰り返されているため、中長期的な対策づくりも急いでいる。今回懇談会を開いたのも、尿素の国内生産基盤の造成など、さまざまな代案を企業や研究所、大学の専門家とともに模索するためだ。

産業通商資源部の関係者は「国内の尿素の生産基盤の構築と第三国の生産拠点の建設など、生産方案とともに尿素水の長期備蓄などさまざまな代案を検討し、費用対効果にすぐれた方法を導き出す方針」と述べ、「海外の事例と政策を分析し、民間の専門家とも連携を取り方向性を決定する」と伝えた。
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