世界的に水産食品に対する需要が高まる中で、「ブルーフード」産業を育成すべきとの声が高まっている。管轄省庁である海洋水産部の組織改編を通じて人材とインフラを拡充し、ブルーフードテック産業を育成するための専門機関の設立のための法整備を強化すべきだと指摘されている。

海洋水産部によると、21日時点のノリの輸出額は水産食品単一品目で史上初めて1兆ウォン(約1100億円)を突破した。韓国政府は今年9月に法定計画である「第1次ノリ産業振興基本計画(2023年から2027年)」を定めるなど、産業育成基盤づくりのために努力を行ってきた。

韓国政府はノリだけでなく付加価値の高い水産加工食品の開発など、「ブルーフード」産業を育成するために総力を傾ける方針だ。海洋水産部では、今年の主要業務推進計画でブルーフードの輸出力を強化するために輸出高が1000万ドルを超える企業100社の育成と集中・連係型輸出マーケティングの強化などを推進すると明らかにしている。

肉類とともに重要なたんぱく源とされるブルーフードは、食糧確保と持続可能な食品システムの側面でも高い価値が認められている。水産物の場合、牛や豚などの畜産物より温室効果ガスの排出量が少なく、環境面でも優れている。

このようにブルーフード産業の育成と高い付加価値の創出のために「ブルーフードテック」支援の必要性が高まっている。細胞培養技術を活用した培養魚肉などの技術を適用し、市場の需要を考慮したサービスを消費者に提供する必要があることからだ。

韓国海洋水産開発院(KMI)は、「ブルーフードテック専門機関の導入必要性に対する研究」と題した報告書で「今後の食品産業は個人の好みや健康に対する関心および生活習慣などに合った製品やサービスに対する要求に応えることができるよう進化するものとみられる」とし、「そのための技術の高度化は必須」と伝えている。

KMIはブルーフードを中心とした技術開発力の確保と、新産業としての生態系造成が必要だと提言している。KMIは「研究開発、投資、事業化、ブランディングおよび政策的支援の準備など、産業生態系の造成が必要だ」としている。

また、組織インフラを拡充すべきだとの指摘も出ている。農業分野では農林畜産食品部傘下の農村振興庁が、農村関連の科学技術政策の履行と普及に対する役割を担っている。また農林畜産食品部は2022年の12月に、従来の「食品産業政策課」を「フードテック政策課」に名称変更し、フードテック政策を強化している。

その反面、海洋水産部の場合、水産政策室内の「輸出加工振興課」に輸出・加工業務と食品業務が混在して運営されている。KMIは「ブルーフードテックの産業的価値を考慮すれば、食品業務を課に格上げして政策を推進するための基盤を整えなければならない」と提言している。

ブルーフードテック産業育成のための専門機関設立のためには、法的・制度的な環境整備の必要性があるとの指摘だ。KMIは「海洋水産部でブルーフードテック産業の発展のための方案を構築し、体系的な産業の管理および育成が必要だ」と強調している。
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