俳優イ・ソンギュンさんが死亡する3日前に行われた3回目の召喚調査を19時間も受けていたのは、何度も公開召喚されることに対する負担のためだったと伝えられた。19時間も調査を受けるのは人権侵害だが、公開召喚というさらに大きな人権侵害を避けるための苦渋の選択だった。

イ・ソンギュンさんの弁護人は28日、東亜日報との通話で「19時間の調査」について、「もう1度公開出頭するか、1度の深夜調査で終わらせるかという選択の岐路に立たされ、仕方なく深夜の調査を選択した」と話した。

イ・ソンギュンさん側は10月28日に1回目の召喚調査、11月4日に2回目の召喚調査を受けたに続き、12月23~24日に3回目の召喚調査を受けた。イ・ソンギュンさんは召喚されるたびにフォトラインの前に立ち、大衆に謝罪しなければならなかった。

イ・ソンギュンさん側は心的負担を感じたあまり、3回目の召喚調査を控え非公開に召喚されるようにしてほしいと警察に2度要請した。警察の捜査公報規則は、事件の関係者をあらかじめ約束された時間にフォトラインに立たせる行為を原則的に禁止している。警察庁の訓令である「警察捜査事件などの公報に関する規則」第16条の「捜査過程の撮影など禁止条項」によると、警察官署長は出頭や調査などの捜査過程をメディアが撮影・録画するよう許容してはいけない。

しかし警察はイ・ソンギュンさん側の要請を受け入れなかった。イ・ソンギュンさんが取材陣を避けてこっそりと警察署に出入りしようとした場合、取材陣と遭遇して混乱した状況が発生し安全事故につながる可能性があると説明した。

19時間わたる徹夜の調査は人権侵害となる可能性がある。「警察捜査に関する人権保護規則」によると、午後9時から翌日午前6時までは本来、被疑者や事件関係者の調査を行うことができない。ただ事件の特性上、深夜の調査が避けられない場合には被疑者の同意を得て徹夜の調査が行われることもある。

「公開召喚」と「徹夜の調査」という人権侵害的なジレンマに悩んだイ・ソンギュンさんは結局、「徹夜の調査」を選び、それが最後の調査となった。

■自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
●こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
●よりそいホットライン:0120-279-338、岩手県・宮城県・福島県から:0120-279-226
●いのちの電話:0570-783-556
Copyrights(C) Herald wowkorea.jp 85