少子化問題に取り組む尹大統領、原因分析を指示=韓国
少子化問題に取り組む尹大統領、原因分析を指示=韓国
韓国のユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は12月26日、少子化問題の解決に向けて、教育などの分野での競争システムの修正など、根本的な原因分析に着手するよう関係省庁に指示した。尹大統領はこの日に開かれた今年最後の国務会議で、「少子化問題は国家存亡の危機だ」と強調し、「これまでとは異なる次元で考える必要がある」と述べた。

 尹大統領がこのように少子化問題の解決を指示したのは、人口数が国家競争力と直結しているためだ。海外メディアも韓国社会が解決すべき課題として少子化を指摘している。

 米CNN放送は12月29日(現地時間)、世界最低の出生率を記録している韓国が西太平洋地域の新たな脅威に対処するための十分な兵士数を維持することが難しくなる可能性があるという分析を報じた。

 CNNは「韓国は北朝鮮の核・ミサイルの脅威を警戒するために約50万人の兵力を維持しているが、女性1人当たり0.78人の合計特殊出生率(女性1人が生涯に産む子どもの数)を記録している状況で、人口推計が韓国の最大の敵になる可能性がある」と分析した。

 現在の兵力水準を維持するには年間20万人が入隊しなければならないが、昨年生まれた新生児は25万人に過ぎなかった。韓国統計庁は新生児数も2025年22万人、2072年16万人に減少し続けると推定している。北朝鮮による安全保障の脅威が続く状況で、韓国政府が進める軍隊の精鋭化などは解決策にはならないというのがCNNの評価だ。

 先月初旬、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)はコラムを通じて韓国の少子化問題が国家の消滅に直結する可能性があると指摘した。

 同紙コラムニストのロス・ダウサート氏は「韓国は消滅するのか」と題するコラムで、韓国の人口減少について「このような人口減少は、14世紀にペストが欧州にもたらした人口減少をしのぐもの」とし、「高齢者世代はやむを得ず放置され、大量のゴーストタウンと荒廃した高層ビルが生じ、高齢者の扶養で未来の見通せない若い世代に移民の動きが現れるだろう」と警告した。

 尹大統領は「少子化問題は、私たちが状況をより厳しく認識し、原因と対策についてこれまでとは異なる次元で考える必要がある」とし、「すべての省庁が一緒に非常な覚悟で少子化問題に取り組んでほしい」と求めた。

 また、「良い政策を集めたところで少子化対策にならないことは、20年以上の経験を通じて国民全員が十分に知っている」とし、「多くの専門家が指摘するように、教育をはじめとするすべての分野における過度な競争システムが直接的な原因であるならば、これを改善することに集中しなければならない」と述べた。

 大統領室の高位関係者は「少子化問題は国家が存続するか滅びるかの問題というのが尹大統領の考えだ。原因分析からしっかりやろうということ」と尹大統領の発言の意図を説明した。
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