「我が家の家族全員が元気で過ごして欲しいです。」、「今年はぜひ就職に成功したいです。」

1日の深夜0時、ソウル市チョンノ(鍾路)区のポシンガク(普信閣)で除夜の鐘が33回鳴り響き、「青い龍の年」である甲辰年の新年が明けた。普信閣周辺は肌寒い中、新年の願いを祈るために集まった10万人余りの人出で埋め尽くされた。荘厳な鐘の音が響き渡ると、人々はスマートフォンの光を振って歓声を上げ、新年の挨拶をしあった。

「2023除夜の鐘イベント」は31日の夜11時から1日の午前1時まで行われた。新年の行事として1953年から70年間続く普信閣の除夜の鐘イベントは、新型コロナの感染拡大によって2019年から3年間はオンラインでの無観客方式で行われ、昨年から対面式に戻された。オ・セフン(呉世勲)ソウル市長と市民の代表12人、そして世界的なインフルエンサー6人など22人が除夜の鐘を33回鳴らした。鐘が打たれた直後に、セジョンデロ(世宗大路)にはレーザー光線で「真夜中の太陽」が浮かび上がった。真夜中の太陽は直径約12mの巨大な構造物で、ソウル市が今回のイベントのために新しく用意したものだ。

このイベントの市民代表として、8月にキョンギド(京畿道)ソンナム(城南)市のソヒョン駅で起きた凶器振り回し事件の時、倒れている女性を発見して救助した18歳のユン・ドイルさんと、55年間にわたり1万5000組の夫婦の無料結婚式を行ってきた「新結婚式場」2代目代表のペク・ナムムンさんが参加した。また、2024学年度大学修学能力試験の最高齢受験者のキム・ジョンジャさん、ソウルアサン(峨山)病院胸部外科の故チュ・ソクジュン教授の遺族、聴覚障害を持つ卓球選手のイ・チャンジュンさんなども参加した。チャンネル登録者数5151万人の韓国系カザフスタン人のキカ・キムさんなど世界的なインフルエンサーも参加した。

普信閣の前はイベントが始まる数時間前から人でにぎわっていた。夜10時過ぎになると急速に人出が増えた。新年を迎える5分前になると、人波は普信閣前から世宗大路方向に400メートルほど続いた。カウントダウンが終わり新年を知らせる鐘が鳴ると、あちこちで拍手が起こり、お互いに「明けましておめでとうございます」と新年の挨拶をし合う場面が見られた。恋人同士がハグをしたり、家族が一緒に抱きしめ合ったりする姿も多く見られた。

友人と普信閣を訪れていたチェさん(32)は、「今までこのイベントをテレビでしか見ていなかったが、実際に普信閣に来て鐘の音を聞くとすごく大きな音で驚いた」と話し、「鐘の音が鳴っている間、家族全員が健康で過ごし、彼女もできますようにと祈った」と語った。続けてチェさんは「一緒に来た友達は今年就職試験を控えているが、ぜひ合格させてくださいと祈った」と付け加えた。恋人と普信閣に来ていたイさん(32)は、「5月に結婚する予定だが、無事に結婚式が終わってほしいと祈った」と話し、「個人的にはダイエットに成功したい」と笑いながら語った。

人々は今年が昨年よりも良い年になるよう願った。ソウル市ソデムン(西大門)区から家族と一緒にイベントに来ていたイムさん(56)は、「自営業をしているが、昨年は本当に持ちこたえることがとても難しかった」と語り、「今年は経済がもう少し良くなって、皆の暮らしが良くなってほしい」と話した。トンジャク(銅雀)区から来ていたキムさん(66)は、「うちの娘たちが今年は必ず結婚できるようにと願うために出て来た」と話し、「良縁に恵まれて、ぜひ孫や孫娘に会いたい」と笑いながら話した。

人々はそれぞれ新年の抱負も語った。クォンさん(28)は「昨年は就職して職場に慣れるために忙しかった」と話し、「今年1年は必ず就職した分野に関する資格を取りたい」と語った。キムさん(19)は「今年は高校3年生になるので緊張している」と話し、「志望大学に必ず合格できるよう祈った」と語った。

交通機関は深夜に帰宅する人々のために増便され、1日の地下鉄の終電時間は午前2時まで延長された。ソウル地下鉄1号線から9号線とウイシンソル(牛耳新設)線とシンリム(新林)線は合計173回増便された。ただし、安全なイベントの進行のために午後11時から1日の午前1時まで、地下鉄1号線のチョンガク(鐘閣)駅は無停車で通過運転を行った。
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