韓国産業通商資源省が1日に発表した2023年の輸出入動向によると、昨年12月の対米輸出額は113億ドルで過去最高を更新した。これにより、月間ベースで米国が2003年6月以来、20年ぶりに韓国の最大輸出相手国となった。対中輸出は109億ドルで前年同月比2.9%減少した。
年間単位でも2023年は、最大の輸出市場である中国(19.7%)と2位の米国(18.3%)の輸出割合の差は2003年以降、最小の1.4ポイントに縮小した。2020年までは中国と米国の差は11%ポイント以上だった。
輸出の好調により、韓国は昨年、米国との貿易で445億ドルの黒字を記録した。昨年全体の対アセアンの黒字(312億ドル)よりも多い。これにより、米国は昨年、韓国最大の貿易収支黒字国になった。中国との貿易では180億ドルの赤字を記録した。このような貿易の流れの変化は、構造的変化の中で現れたという分析が出ている。米中間の対立に伴うサプライチェーンの再編と主要国の自国中心の通商政策など、貿易環境の変化が産業構造の枠組みを変えた。
対米輸出の拡大には自動車販売が大きく寄与した。韓国貿易協会によると、昨年1~11月の対米自動車輸出額は287億7000万ドルで前年比44.2%増加した。電気自動車やスポーツユーティリティ車(SUV)が好調だったほか、北米組立電気自動車に補助金を与える米国のインフレ削減法(IRA)にも例外的に適用される商用リースチャンネル販売が拡大した。また、IRAに対応して北米に進出した二次電池業界が現地工場稼働を本格化し、正極材など二次電池素材の輸出も増えた。
一方、対中輸出は2022年第2四半期から7四半期連続で減少している。中国の景気回復が遅れたことや、韓国産中間財の輸入が減ったという分析もあるが、中国が中間財の自給率を高めるための投資を拡大し、韓国と中国の貿易市場での役割が逆転したという指摘もある。
韓国産業研究院は「2024年経済産業展望」という報告書で、「中国の製造業の競争力向上で中間財自給率が上昇し、韓国産中間財の輸入に悪影響を与えることが確認された」と説明した。中国の全体輸入における韓国の割合も2015年10.9%から2023年6.3%まで減少した。
しかし、一方で韓国は二次電池産業が拡大する中、リチウムや前駆体など核心素材のほとんどを中国に依存し、中国から大規模に輸入しなければならない商品が増えている。韓国貿易協会によると、昨年上半期の水酸化リチウム、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、前駆体など主要二次電池素材の対中依存度はそれぞれ82.3%、72.1%、100%、97.4%に達した。昨年1~11月に韓国が中国から購入した水酸化リチウムだけでも46億ドル分と集計されている。
韓国内の電気自動車市場が拡大するにつれ、価格競争力のある中国製電気自動車用バッテリーの輸入も増えた。昨年1~11月の輸入額は59億ドルで、中国の輸入品目の中で1位だ。バッテリーと水酸化リチウムの2品目だけで昨年、韓国は100億ドル以上、韓国ウォンで約13兆ウォン(約1兆4143億円)の貿易赤字を出した。
これにより、変化した貿易状況に対応するには、中間財中心の大量輸出を多様化し、技術開発と市場開拓のための努力が必要だという声が上がっている。韓国貿易協会は報告書で「中国が重要な輸出市場であることは変わらない」とし、「輸出市場の多様化を通じて対外環境の変化のリスクを分散する必要がある」と明らかにした。
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