◇「サインください」と接近し刃物で切りつけ
李氏はこの日午前10時半ごろ、釜山沖にある加徳島の新空港建設予定地を視察後、移動中に左首を切りつけられ、血を流して倒れた。意識はあったという。
交流サイト(SNS)などで公開された映像には男が記者団の後ろで青色の紙で作られた王冠をかぶって立っている姿が映されている。目撃者によると、男は「サインください」と話しながら記者団の中に入り込んで李氏に近づき、長さ18センチの刃物で李氏の左首を切りつけた。男は李氏の周辺にいた人と警察に取り押さえられた。目撃者は「(王冠に)『私が李在明』と書かれていて、熱狂的な支持者だと思った」と話した。別の目撃者は「不審者のようには見えなかったが、いきなり犯行を行った」と伝えた。
男は先月13日に釜山で開かれた共に民主党の懇談会の周辺でも目撃されている。
◇ソウルに搬送 容疑者「殺意あった」
李氏は事件発生から約20分後に到着した救急車で運ばれ、ヘリコプターで釜山大病院に搬送されて応急措置を受けた。首に約1.5センチの傷を負ったが、命に別状はない状態だったという。ヘリコプターでソウル大病院に搬送され、午後3時45分ごろから手術を受けた。手術は当初、約1時間かかると予想されたが、2時間近く行われた。
共に民主党の首席報道官はソウル大病院で記者団に対し、李氏が血管再建術を受け、現在は集中治療室に入院していると明らかにした。男が共に民主党の党員かどうかに関しては、「(捜査当局から)確認の要請が来ていない」と答えた。
一方、釜山警察庁は男が殺意を認めたと明らかにした。中部の忠清南道に在住しており、刃物はインターネットで購入したという。警察は殺人未遂の容疑で男の犯行動機などを調べている。
◇尹大統領「決してあってはならない」 当局に真相解明指示
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は李氏の襲撃事件の報告を受け、「決してあってはならないことが起きた」と深い憂慮を示した。また、警察など関係当局に対し、迅速な捜査と真相解明を指示し、李氏の治療を最善を尽くして支援することも指示した。
保守系与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は「この社会で絶対に、絶対にあってはならないこと」として、李氏の回復を祈った。
共に民主党の首席報道官は「テロを強力に糾弾する」として、「明白な民主主義の破壊行為」と非難した。
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