ソウルのトボン(道峰)区に住む主婦キム(35)さんは、スーパーのフルーツコーナーでりんごやいちごなどの果物をかごに入れては取り出し、しばらく悩んで結局やめた。キムさんは「昨年の秋夕(チュソク、中秋節)から高くて食べられずにいるりんごは1個あたり5,000ウォンを軽く超えて、旬のいちごも1か月前より高くなったようだ」とし「それでなくても物価が上がって買い物が大変なので果物を買う気になれない」と吐露した。

このような悩みはキムさんだけではない。最近インターネットカフェでは、近所に果物を安く買える場所と方法を尋ねる内容が上がってくる。昨年9月から価格が急騰したりんごのほかにも旬を迎えたみかん、いちごまで全て価格が急上昇し、果物を少しでも安く買える情報を交換することが流行のように広がっているのだ。

5日、韓国農水産食品流通公社(aT)の農産物流通調査によると、4日基準でりんご10個の小売価格は2万8,699ウォンで、1年前(2万2,219ウォン)より29.1%上回った。梨10個の価格も4万4,303ウォンで1年前(2万5,746ウォン)より33.3%高くなった。この他にも△かんきつ類29.4%、△いちご7%、トマト22%など高騰した。りんご・梨は昨年の病虫による被害や冷夏などの影響で生産量が約27~30%大幅に減少して価格が上がった。いちごもやはり猛暑と大雨で生産量が減った。みかんは、生産量は変わっていないが、他の果物の価格が上がり需要が集中して一緒に上がった。

問題は、このような果物の価格がしばらくの間は高い水準を維持するという点だ。果物は生育期間が2~3か月と短い野菜類とは異なり、1年単位で供給されるため、簡単には価格が下がらない。また、旧正月を1か月後に控えているので、果物の需要はさらに増えるものと見られる。

このように、果物の価格が高い水準を維持しながら、全体の消費者物価上昇率を引き上げる可能性もある。実際、昨年12月の消費者物価は前年同月比3.2%増だったが、このうち0.3%が果物の影響だった。品目別に△りんご54.4%△梨33.2%△トマト45.8%△いちご23.2%△みかん20.9%△ぶどう17.8%など、ほとんどの果物が2桁の上昇率を記録したためだ。

これに政府は輸入果物に対して相当規模の関税を適用し、既存の加工用に活用していたわけありフルーツなど出荷量も増やす計画だ。基材部は前日に発表した「2024年経済政策方向」から上半期に輸入果物21種に対して1,351億ウォンレベルの関税割当を適用すると明らかにした。農食品部は主要品目の需給・価格動向を毎日点検し、旧正月前までに契約栽培物量を最大限市場に入れ、非定型と小型も出荷する。価格が急騰した果物は、最大20~30%を下げる農畜産物割引支援事業に含める。

企画財政部の関係者は「基本的にりんご・梨などは生産量が不足した状況だ。今年の夏、早生種が出るまでは追加供給がなく、保存分を供給するしかない」とし「関税割当を適用して一部の果物需要を輸入産に置き換え、非定型などで供給を増やし、価格割引政策を通して 持続的価格安定に努力をする」と強調した。
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