漢江で遺体で発見された女性…胸に刺さった凶器に疑問も=韓国
漢江で遺体で発見された女性…胸に刺さった凶器に疑問も=韓国
韓国ソウルオリンピック大橋近くの漢江公園で女性の遺体が発見され、人々に衝撃を与えた。胸のあたりには凶器が刺さっていたという。被害者が凶器を直接購入したことが明らかになり、事件は謎に包まれている。

 警察と消防当局は今月6日午後8時7分頃、ソウルオリンピック大橋近くの漢江公園で「漢江に人が落ちた。動かない」という通報を受けて出動した。救急隊員が30代の女性A氏を引き揚げ、病院に搬送したが、死亡が確認された。

 A氏の胸には凶器が刺さっていた。A氏はこの日の午後、自宅を出て公共交通機関を利用してソウルに向かった。続いてこの日の午後7時30分頃、漢江公園に入ったことが把握されている。

 警察は、A氏の遺体から出た凶器は、彼女が直接京畿道利川市の自宅で当日購入したことが調査されたと発表した。警察は、A氏が直接購入したため、他殺の可能性は高くないと見ている。家を出てから遺体で発見されるまで、他人とこれといった接触もなかった。

 遺体解剖を担当した国立科学捜査研究院(国科捜)は8日、A氏の死因を「胸の左側の刺創による臓器(肺)過多出血」という1次所見を警察に伝えた。

 専門家たちも今回の事件と関連して多様な解釈を出している。刑事事件の経験が多いソン・スホ弁護士は11日、あるラジオメディアを通じて警察の「他殺の可能性が希薄だ」という結論に対して「他殺の可能性もあるように見える」と疑問を提起した。ソン弁護士は、警察が他殺の可能性を低く判断した理由について、△移動経路上の接触者がいなかったこと、△移動経路はもちろん、事件場所である漢江でも接触者がいなかったこと、△防衛した痕跡がないこと、△自ら凶器を購入したことなどを挙げたと説明した。しかし、ソン弁護士は△凶器が胸を貫通した点△自ら胸を刺した後、漢江に歩いて入ったとすれば「溺死」の可能性が高いが、死因が「過多出血」と出た点などから、他殺の可能性を念頭に置いて捜査しなければならないと話した。

 順天郷大学警察行政学科のオ・ユンソン教授は、あるメディアとのインタビューを通じて「人が自分自身を凶器で刺すとき、強力な意志を持っていても、貫通傷を負うことは容易ではない」と話した。オ教授は「警察の発表を総合すると、平凡な女性が自分自身を刺した、それも水に入った後に刺したという結論が出るが、両方とも非常に異例のこと」とし「もし自分自身を傷つけなければならないという妄想など精神病歴があったとすれば、瞬間的にそのような怪力を出した可能性もある。警察がもう少し総合的な説明を出さなければ」と説明した。

 一方、警察は他殺の可能性は低いと見て、遺族の供述や防犯カメラの分析などをもとに追加調査を進める方針だという。
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