CESでAI時代の新たなチャンスを探るサムスン電子の慶桂顕社長
CESでAI時代の新たなチャンスを探るサムスン電子の慶桂顕社長
今月9~12日(現地時間)に米国ラスベガスで開かれた世界最大の家電・IT見本市「CES2024」に参加したサムスン電子のキョン・ゲヒョン(慶桂顕)デバイスソリューション(DS)部門長(社長)は、AI(人工知能)がコンピューティングに与える影響とチャンスについてSNSで見解を述べた。

 慶氏は、半導体事業のトップとして、CESで多くの顧客と会談し、AI半導体の最新動向を確認したという。サムスン電子は、第5世代の広帯域メモリ(HBM)であるHBM3Eや、モバイル用低電力知能型半導体LPDDR5X-PIMなどを展示した。

 慶氏は、「チャットGPTの登場でパブリッククラウド企業がノーマルサーバー(Normal Server)への投資を減らし、画像処理半導体(GPU)サーバーへの投資を増やした時、限られた予算のせいだと、時間が経てばノーマルサーバーへの投資が再開されると信じていた」とし、「しかし、そのようなことは起こらなかった。コンピューティングに根本的な変化が起きた」と指摘した。

 続けて「コンピューティング環境が与えられた入力に新しい情報を生成するジェネレーティブ(Generative・生成型)システムに移行した。ジェネレーティブシステムになるためには、メモリとコンピューティングセルが相互接続(Interconnected)される必要がある」とし、「メモリとコンピューティングを一つのチップで作るのは高価だ。そのため、HBMやGPU/加速器(Accelerator)、2.5次元パッケージ(2.5D Package)が登場した」と説明した。

 慶氏は「しかし、メモリとコンピューティングの間の距離はまだ遠い。そのため、より大容量のHBM、より速いインターフェース、プロセッシングインメモリ(PIM) HBM、カスタマイズされたバッファ(Customized Buffer) HBMなど、メモリとコンピューティングの間の距離を縮めようとする試みが続くだろう」とし、「サーバーから始まったこの試みは、PCに、スマートフォンに波及していくだろう」と予測した。

 また、「新しいチャンスが到来した。トリリオン(Trillion・1兆)モデルの大規模言語モデル(LLM)が登場したが、汎用人工知能(AGI)はクアドリオン(Quadrillion・1000兆)のパラメータ(媒介変数)を必要とするかもしれない」と強調した。AGIは人間と類似したレベルの知能を持つ人工知能を意味する。

 慶氏は「今は始まりに過ぎないかもしれない。CESで出会ったほとんどの顧客との会話のテーマはAIだった」と締めくくった。
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