焼酎22本飲んで溺死した男性...ガスライティングによる犯罪と判明=韓国
焼酎22本飲んで溺死した男性...ガスライティングによる犯罪と判明=韓国
韓国南東部の巨済島で昨年10月、海に飛び込んで溺死した50代男性が、ガスライティング(心理的支配)を受けていたことが警察の捜査で明らかになった。昌原地検統営支庁刑事2部は17日、40代男性のA氏を過失致死や強要などの容疑で拘束起訴したと発表した。

 A氏は昨年10月11日午後2時10分ごろ、慶尚南道巨済市にある水辺公園で、50代のB氏に海に飛び込んで泳ぐよう強要し、死亡させた疑いが持たれている。

 捜査によると、A氏は数年前に考試院(簡易宿所)で知り合ったB氏に対し、自分は元暴力団員だったと偽って暴行を加え、心理的に支配し始めた。B氏を眠れないようにしたり、他の基礎生活受給者(日本の「生活保護受給者」に相当)であるC氏と失神するまでけんかさせたりした。A氏はまた、基礎生活受給者であるB氏の保護費や日雇い労働の収入など約1700万ウォン(約182万円)分の金銭を奪った。

 A氏は犯行を隠すため、B氏とC氏の携帯電話を随時確かめ、日常を報告させるまでした。ガスライティングを受けた2人の被害者は、A氏から逃げられなかったという。

 彼らは事件の前日から巨済島のある食堂でお酒を飲み始めた。A氏はB氏とC氏を寝かせずに酒を飲ませ、事件当日まで被害者らが飲んだ酒は22本に達した。A氏は酔ったB氏とC氏に海に飛び込んで泳ぐよう強要し、C氏がちゅうちょしている間にB氏が先に飛び込み、波に流されて命を落とした。

 A氏に搾取されたB氏は、車がなく徒歩で移動し、食事ができず体重が18キロほど減るなど健康を損なっていた。C氏も1年中1着の服だけ着て、毎食を心配する生活を続けていたことが分かった。

 この事件は当初、単なる溺死事故として処理されるところだったが、警察の捜査で全貌が明らかになった。検察はC氏に対する統合心理分析や周辺人物の調査、口座取引履歴などを分析した結果、A氏が2018年から被害者らに対して長期間にわたってガスライティングを行っていたことが判明した。警察は容疑者の動機や背景などをさらに調べている。
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