ソウル市教育庁トップに二審でも有罪判決…解雇教員の不正採用で=韓国
ソウル市教育庁トップに二審でも有罪判決…解雇教員の不正採用で=韓国
ソウル市教育監のチョ・ヒヨン氏(67)が、解雇された教員を不正に特別採用したとして二審でも有罪判決を受けた。チョ氏は判決に不服として最高裁に上告する方針だが、教育監の地位を失う可能性が高まった。

 ソウル高裁刑事13部は18日、チョ氏に対して職権乱用や国家公務員法違反などの罪で懲役1年6か月、執行猶予2年の判決を言い渡した。チョ氏は2018年、全国教職員労働組合(全教組)所属で政治活動などで解雇された元教員5人を特別採用するよう指示したとされる。特別採用を共謀した容疑で一緒に裁判を受けた元秘書室長のA氏は懲役10か月、執行猶予2年を言い渡された。

 裁判所によると、チョ氏とソウル市教育庁は2018年の上半期、全教組ソウル支部と政治的基本権の問題で解雇された教員に対する特別採用などに関して政策を協議した。これにより、2018年教育公務員(中等教員)の特別採用が行われ、5人の解職教員が採用された。

 裁判所は、チョ氏が教育監として特別採用の公開競争性を確保するために努力すべきだったが、必要な措置を取らなかったと判断した。

 裁判所はまず、2018年下半期の特別採用が最初から公平性を失ったと指摘した。「特別採用全体の経過に照らしてみると、公募条件が最小限の実質的な公開競争性を確保したとはみられない」とし、「公募条件が退職教員5人の功績に合わせて作成された。そして、全教組ソウル支部で関連の活動に関連して解職された人は、その5人だけだ」と説明した。実際に当時の特別採用推進案には、特別採用対象者として「教育の二極化解消および教員の政治的基本権拡大活動と関連してソウル市教育庁から当然退職(一定の事由により自動的に退職)した者」を明記している。

 裁判所はまた、特別採用自体も正当性が不足しているとみている。チョ氏がソウル市教育監の選挙で全教組の支援を受けた見返りに、特別採用を実施したと判断した。裁判所は「採用の内容や人数などの面で以前の採用とは違いがある」とし、「全教組と候補を統一し、再選に成功した直後に全教組が要求していた特別採用を実施したのは、私的な特恵や補償のためのものだ」と述べた。

 判決が確定すれば、チョ氏は教育監から退任しなければならない。教育自治法と公職選挙法などに基づき、禁固以上の刑を受けた場合、退職対象になるためだ。ただし、チョ氏が最高裁に上告する意思を明らかにしているため、判決が確定するには数か月かかる見通しだ。

 チョ氏は判決後の記者団とのインタビューで、裁判結果に遺憾の意を表明した。特に、特別採用の目的は正当だったと強調した。チョ氏は「10年間も街をさまよい、解職された者たちを子供たちのそばに戻らせた政策的決定で、教育界の和解と統合のための積極的な行政だった」とし、「賄賂を受け取ったわけでも、側近を任用させたわけでもない。学校、社会、教育界の安定化のためだった」と主張した。続けて「安定的にソウルの教育界を導けず、保護者や教育関係者、市民に申し訳ない。直ちに上告したい」と述べた。
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