尹錫悦大統領
尹錫悦大統領
韓国の国会が19日、イテウォン(梨泰院)惨事特別法(10・29梨泰院惨事被害者権利保障と真相究明・再発防止のための特別法案)を政府に移送した。法律案に異議がある場合、政府は15日以内に国会に再議を要求できるため、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は熟考後、拒否権を行使するかどうかを決めることになる。

国会関係者はこの日「梨泰院惨事特別法が政府に移送された」と明らかにした。

9日、国会本会議を通過した梨泰院特別法について国民の力(与党)は尹大統領に拒否権行使を建議することにした。

ユン・ジェオク(尹在玉)国民の力院内代表は18日午前、国会で開かれた議員総会の後「共に民主党(野党)が同法を公正かつ与野党間で円満に法が処理されることを期待するより、大統領の再議要求権行使を誘導したと判断する。再議要求権行使による政治的打撃を与え、総選挙で引き続き政争化するための意図と判断した」と明らかにした。

国民の力は「社会的惨事に対する特別調査委員会(特調委)の構成などの内容が盛り込まれた特別法の処理は、与野党の合意で処理してきた慣行を無視し、野党単独で処理した」として手続き上の問題点を指摘した。

一方、共に民主党はただちに公布することを促した。イ・ジェミョン(李在明)共に民主党代表はこの日、国会で開かれた最高委員会で「政府・与党の拒否政治に終わりがない。一体全体、拒否でないならこの政府がすることは何なのか」と批判した。共に民主党議員たちはこの日、ヨンサン(龍山)大統領室前で記者会見を開き、法案の公布を求めた。

なお、梨泰院惨事の遺族11人は前日、龍山大統領室前の戦争記念館広場で剃髪し、拒否権を建議した国民の力を糾弾した。10・29梨泰院惨事遺族協議会などは宗教・市民・労働など、658の市民社会団体と共に「梨泰院惨事特別法拒否権を建議することにした国民の力は目を覚まし、尹大統領は法律をただちに公布せよ」と促した。

法案が政府に移送されたため、尹大統領は熟考に入ることになった。今回の法律案についても拒否権を行使すれば、尹錫悦政府発足後、計9件の法律案についての拒否権となる。これは民主化以降、歴代政府の中で最多拒否権の行使である。
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