「恋人に拉致された」と通報するも、警察は出動せず…遺族が国を相手に訴訟=韓国
「恋人に拉致された」と通報するも、警察は出動せず…遺族が国を相手に訴訟=韓国
恋人とけんかをして酒に酔った状態で高速道路を横断し、車にはねられ死亡した被害者の遺族が、「娘は拉致されたと通報したが、警察は出動しなかった」として損害賠償訴訟を提起した。

25日韓国法曹界によると、2022年にクァンジュ(光州)で恋人とけんかをした後、ホナム(湖南)高速道路を横断し死亡した女性Aさんの遺族が最近、国(大韓民国)を相手に損害賠償訴訟を提起した。当時、「拉致されている」とAさんが通報したものの、警察が出動しなかったためだ。

Aさんは2022年11月18日、恋人と一緒に車に乗っている際にけんかになった。

恋人が車を高速道路に進入させると、Aさんは「車の助手席に拉致されている。出動してもらえますか」と警察に通報した。Aさんの隣にいた恋人は、「来なくてもいいです。この女性は酒に酔っていて…」と言い電話を切った。

警察は当時出動せず、その後2人はバス停のある高速道路の路肩に車を止め、互いに頬を叩くなどけんかを続けた。

泥酔状態にあったAさんは車から降り高速道路を走るタクシーをつかまえて止めるなど危険な行動を続け、恋人はAさんの行動を制止したものの、Aさんは高速道路を横断し、車にひかれて死亡した。

この事件で恋人は「警察に拉致の通報をしタクシーをつかまえて乗ろうとするAさんを支配しようと捕まえ続けた」という過失致死の容疑で起訴されたものの、1審裁判部は「Aさんの危険な行動を制止したものだった」と無罪を宣告した。

Aさんの遺族は当時の通報を「非出動終結対象」と判断し、現場の措置なく終結処理した警察の無視が死亡事故につながったとし、国を相手に3億ウォン台(約3000万円台)の損害賠償訴訟を提起した。

これに先立ち、Aさんが高速道路でつかまえたタクシーの運転手も警察に通報していたことがわかったものの、通報を受け出動した警察はAさんの死亡事故が発生した後に到着していた。

光州警察庁はこの通報を非出動終結処理とした理由について具体的な事由を明らかにしておらず、「今回の事件と関連した民事・刑事上の裁判が進められているため公開できない」と説明した。

警察関係者は、「恋人に対する刑事裁判が確定判決前であり、関連した民事訴訟も提起された状態であるため公開するのは難しい」とし、「ただ、警察が出動しなかった適正な事由があった」と明らかにした。

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