カタールで開催中のアジアカップは25日、グループリーグE組の最終戦、韓国対マレーシアの試合が行われた。韓国は前半21分、チョン・ウヨン選手が頭で合わせて先制したが、後半6分と17分に失点し、逆転を許した。同38分にマレーシアのオウンゴールが生まれ、同49分には孫興民選手がPKを決めた。勝利を掴みかけたが、アディショナルタイムに土壇場での同点を許し、3-3で引き分けた。
韓国は今大会、1960年以来64年ぶりの優勝を目指しているが、FIFAランキング130位(韓国は同23位)のマレーシア相手にドローで終わったことに衝撃が広がっている。韓国メディアのイーデイリーは「単なる勝ち負けの問題を越えて、衝撃的な結果としか受け止められない」と伝えた。韓国代表が国際Aマッチで1試合3ゴール以上を許したのは約13か月ぶりで「その相手が、FIFAランキング130位のマレーシアだったという点はさらに衝撃的だ」と伝えるメディアもあった。
韓国はE組1位通過なら決勝トーナメント1回戦でD組2位の日本と対戦する予定だったが、2位通過が決まり、日韓戦は実現しないことになった。韓国は30日(日本時間31日未明)にサウジアラビアと8強をかけて戦う。
「日韓戦」は韓国人サポーターにとって関心が高い対戦カードだが、実現しないことが決まり、ネット上などでは、韓国が優勝候補筆頭の日本との対戦を意図的に避けたのではとのコメントも上がっている。こうした見方に、エースの孫興民選手は記者会見で「多くのファンがソーシャルメディアなどで、やや度が過ぎる発言をしているが、つらい。すべての選手に家族がいて、友人、同僚がいる。そのような言葉を聞くと胸が痛む。サッカー選手である前に人間だ。選手たちをもう少し大切にしてほしい。記者の方々、サッカーファンにもぜひお願いする」と不快感を示した。また、韓国メディアのOSENによると、孫選手は海外メディアの取材にも「日韓戦回避」の見方に「NO!それは真実ではない」と怒りをあらわにし、明確に否定したという。OSENは「(孫選手は)韓国代表チームの主将として、日本より格下との評価を受けることに対してプライドが限界に達した表情だった」と伝えた。
また、韓国代表のユルゲン・クリンスマン監督は28日、決勝トーナメント1回戦のサウジアラビア戦を前に記者会見した。「日本戦回避」との見方が出ていることについて、「日本を避けようとはしていなかった。グループリーグ1位になりたかった」と否定した。その上で、サウジアラビア戦について「非常にタフな試合になるだろう」と語った。
一方で、意図的ではないにせよ、韓国代表の決勝トーナメント初戦の相手が日本ではなくサウジアラビアになったことの是非を論じる記事も出ている。韓国メディアのSTAR NEWSは「サウジアラビアが日本よりマシという話も出ているが、本当にそうだろうか」と疑問視した。記事は「確かに客観的な戦力ではそうだ。日本のFIFAランキングは17位で出場国の中で最も高い。サウジは56位で、韓国が23位であることを考えると、日本よりサウジを相手にするほうが良さそうだ」と前置き。その上で、サウジアラビアは開催国のカタールと隣接しているため、試合当日は多くのサポーターがスタジアムを訪れることが予想され、韓国にとってアウェー状態になることが見込まれると指摘。「『クリンスマン(監督)号』が乗り越えなければならない部分だ」とした。
そして記事は、韓国のサウジアラビアとの対戦成績は18戦5勝8分5敗だとし、「韓国が決して有利ではない」と指摘。「タフな戦いが予想される」とした。
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