コリョ(高麗)大学経済学部のキム・ムンス(金文洙)博士とハニャン(漢陽)大学経済学部のペク・ジョンソン講師は1日、「2024年経済学共同学術大会」の一環として、韓国社会経済学会が主催した学術大会でこのような内容が盛り込まれた「韓国の資産不平等の分析−住宅を中心に」と題された論文を発表した。
論文によると、韓国は所得の不平等よりも資産の不平等がさらに深刻な状況だ。純資産ジニ係数は2011年に0.619だったのが2016年には0.585まで下落したが、その後再び上昇して2023年には0.605に上昇した。ジニ係数は、数字が1に近づくほど不平等が深刻化していることを意味する。
特に、昨年の1世帯当たりの資産は平均5億2727万ウォン(約5800万円)だが、このうち不動産を含めた実物資産の割合は76.1%を占める。また、家計負債の大部分が担保融資や賃貸保証金など直接または間接的に住居関連の負債であるため、資産と負債間の相関関係が高く、不動産を利用した資産形成が資産格差の拡大に影響していると分析している。
総資産、不動産資産、純資産を対象にジニ係数を分析した結果、2021年時点でそれぞれ0.58、0.68、0.59と集計された。ジニ係数はいずれも2016年から高まり、不平等度が悪化している。特に不動産資産の不平等度が最も高かった。
論文は総資産、不動産資産、純資産をそれぞれ従属変数とし、世帯総所得、首都圏在住であるか、複数の住宅を所有しているかどうか、住宅資本差益、世帯間の資産移転金額、世帯主の年齢、世帯人数、総負債を独立変数としてジニ係数への影響度を分析した。
総資産ジニ係数に影響を与える最大の変数は、総所得、住宅を所有しているかどうか、住宅資本差益、総負債、年齢、首都圏に在住しているかどうか、世代間の資産移転の順となった。論文では「総所得に最も大きな影響を与えているのは、資産形成において所得が1番目に、住宅を所有しているかどうかが2番目に大きいことが分かり、総資産においては不動産資産の割合が大きいことを反映している」と説明している。
特に「時間が経つほど住宅資本差益の影響度が増加する傾向がある反面、住宅を所有しているかどうかの影響度は2016年を頂点に、総負債への影響度は2019年を頂点に減少している」と付け加えた。純資産ジニ係数への影響度は、総所得、住宅を所有しているかどうか、住宅資本差益、年齢、首都圏在住かどうか、世代間の資産移転、総負債の順で高かった。
不動産資産ジニ係数の影響度は、住宅を所有しているかどうか、住宅資本差益、総所得、総負債、年齢、首都圏に在住しているかどうか、世代間の資産移転の順だった。論文では「総資産とは異なり、住宅を所有しているかどうかの影響度が最も大きくなり、総所得の影響度の影響が小さくなったのは、所得だけで住宅など不動産資産を取得しにくい点を反映したもの」と説明している。
論文は「以前の論文では世代間の資産移転が最も大きな決定要因として議論されてきたが、この研究では非経常所得を含む総所得と総負債を係数に加えたために、世代間の資産移転の影響度が大きくなった」と付け加えた。
論文は「資産の不平等において住宅資本差益の影響が大きく、時間が経つほど影響度が増加するという点で、譲渡差益に対する課税は支持されなければならない」と強調している。
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