会社員のキム・デウンさん(38)は旧正月の連休を迎え、東京に4泊5日の旅行に出かけることにした。このところずっと円が安く、距離も近いので気軽に行ける東京に決めた。旧正月を控えて円が100円あたり800ウォン台にまで下落し、使える予算がさらに増えた金さんは、東京近郊の温泉まで出かけることにしている。

旧正月に日本を旅行する観光客は「円安効果」を十分に享受している。日本だけでなく米国も政策転換が第2四半期に遅れたことも影響し、当分の間円安現象は続くものとみられる。

9日、ソウル外国為替仲介によると、円/ウォンの財政為替レートは100円当たり892.87ウォンで取引されている。円は今月5日から8日までの4営業日連続で100円あたり800ウォン台で取引されている。5日には取引中889.56ウォンまで下落した。円相場が100円あたり800ウォン台に下落したのは、2023年12月6日の891.22ウォン以来、約2ヵ月ぶりのことだ。

旧正月を控えて円安が進行していることは、日本旅行に行く人たちには好材料だ。実際にチェジュ(済州)航空の今年の旧正月連休(9日から12日)の日本路線の前売り率は90%前半台を記録した。日本路線は済州航空の主力路線のひとつで、関西・成田・松山・札幌・静岡・大分・沖縄・福岡・広島などの地域に運行している。これらの路線の運航回数は1月の15日から21日までで実に207回に達するほどだ。

昨年に続いて今年も円安が続いているのには大きく2つの理由がある。日本のマイナス金利政策の変更が遅れ、円の価値が上がらないためだ。昨年末から市場では今年の初めに日本銀行が金利の引き上げを行うだろうという期待が大きかったが、1月の金融政策決定会議で金利を凍結し、金利変更の時期が遅れた。市場では日銀が早ければ4月に金利政策変更をするとみている。

また、米国の連邦準備制度(Fed)が早期に金利引き下げを行うとの期待を払拭させ、ドルが高値で推移している影響もある。米国も3月から第2四半期以降に金利引き下げ時期が遅れたことから当分は高金利が続くと予測され、ドルの代替安全資産に挙げられる円の価値が相対的に低くなっている。

専門家は「上半期まで円高は期待しにくい」とみている。ユジン投資証券のイ・ジョンフン研究員は「米国の雇用指標が予想とは異なり強く、ウォンと円がともに劣勢を示した」と述べ、「円がウォンよりも米国の金利差に敏感に反応し、さらに大きく下落した」と診断した。

さらにイ研究員は「今年の4月から7月ごろにマイナス金利政策を解除する可能性が高くなった」と述べ、「円は第2四半期以後に米国の政策金利の引き下げおよび日本のマイナス金利解除の中で強勢への転換が期待される」と述べた。

そして「ただしマイナス金利の解除以降、日銀の金利正常化は漸進的に行われる可能性が高く、上半期内に円高が大きく進む可能性は低いとみている」と付け加えた。
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