ソウル中央地方裁判所は11日、道路交通法違反(事故後の未措置)の罪で起訴されたA氏(44)に対し、検察の主張を退けて無罪判決を下した。
検察は、A氏が2022年12月にソウル市中区の片道3車線道路で走行中、1車線を走っていたタクシーが突然車線変更して割り込んできたため、A氏がハンドルを右に切って衝突を回避しようとした際、後方から追い越してきた別のタクシーと接触したと主張した。検察は、A氏が事故現場から逃走し、後方のタクシーに390万ウォン(約43万円)の修理費用を負担させたとして、略式起訴した。略式起訴は、正式裁判を経ずに書面審理で罰金や科料を科すことを裁判所に求める手続きである。
しかし、A氏は検察の処分が不当だとして正式裁判を要求した。裁判所は、A氏の車両と事故タクシーが実際に衝突していないことや、A氏が後方のタクシーの事故に気づいていなかったことなどを認定した。裁判所は、A氏がハンドルを切ったことで3車線のタクシーが驚いて他の原因でフロントバンパーが傷ついた可能性が高いと判断した。
また、裁判所は、A氏の車両には事故で損傷した形跡がなく、道路交通公団の分析でも2台の車両が衝突したと断定できる揺れも確認されなかったことなどを根拠に挙げた。さらに、A氏が当時会社の代表取締役を乗せて運転していたことから、逃走する動機や理由もなかったと裁判所は認めた。
裁判所は「事故後未措置は人や物への損害があるという認識がなければ処罰する犯罪ではない」とし、「A氏が事故を知りながら措置なしに離脱したことを合理的な疑いの余地なく証明されたかどうか、これを認める証拠がない」と結論づけた。
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