合流するのは李俊錫氏が立ち上げた「改革新党」と、李洛淵氏ら「共に民主党」を離党した議員らで結成の「新しい未来」、同じく「共に民主党」を離党したクム・テソプ前国会議員が率いる「新しい選択」、そして同様に「共に民主党」を離党したイ・ウォンウク議員率いる「原則と常識」。新党の党名は李俊錫氏が立ち上げた「改革新党」を採用し、李俊錫氏と李洛淵氏が共同代表を務める。総選挙を指揮する総括選挙対策委員長には李洛淵氏が就くという。統合を発表した議員の一人は「今度の総選挙で、既得権政党から離れて新しい希望、未来を開かなければならないとの思いで大統合を決断した」とし、「第三極統合新党に票を集めてほしい」と訴えた。近く結党大会を開く予定。
韓国では保守系の与党「国民の力」と進歩系の最大野党「共に民主党」の対立が深まっている。批判合戦に終始した状況に国民の政治不信が高まる中、与野党の代表経験者が手を組む異例の展開となった。
李俊錫氏は2021年6月、国会議員経験がないまま当時36歳の若さで「国民の力」の代表に就任し、注目を集めた。党代表就任直後から「われわれは大統領選で勝利する」と宣言。一昨年の大統領選当時、同党公認候補だったユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は「李俊錫氏に選挙運動の全権を委ねたい」と述べ、李氏に信頼を寄せた。
尹氏が大統領選に勝利したことから李氏は政権与党の代表となった。だが、李氏には過去に性接待を受けた後に証拠隠滅を教唆したとする疑惑が取り沙汰され、一昨年7月、同党の党員倫理委員会は、内部規定により党員として品位維持義務を守らなかったとの理由で李氏を党員資格停止6か月とする懲戒処分を議決した。これにより、李氏は党代表としての職務執行権限が停止された。李氏は処分を不服としたが、代表を解任された。さらに、党中央倫理委員会は李氏が尹氏や党に対する非難を繰り返したとして、その後、李氏への資格停止処分を1年追加した。李氏は党員資格停止期間中の昨年6月、党代表の任期満了を迎えた。その後、李氏は昨年末に離党と新党立ち上げを宣言。先月、「改革新党」を立ち上げた。
李洛淵氏は2020年8月に当時与党だった「共に民主党」の党代表に就任するも、大統領選を翌年に控えた21年3月、代表職を辞任。大統領選出馬への準備を本格化させるとみられた。そして、同年7月に出馬を表明するも、その後、党の候補者を決める予備選挙でイ・ジェミョン(李在明)氏(現・党代表)に敗れた。李洛淵氏は韓国の三大紙の一つ、東亜日報の元記者で、在職中は東京特派員も務めた。日本語が堪能で、「知日派」としても知られる。李氏は、「共に民主党」の李在明代表に批判的な「非(李在)明系」の代表格で、党運営を批判してきた。先月、同党を離党し、今月4日に新党「新しい未来」を結成したばかりだ。
それぞれ新党を立ち上げて間もない李俊錫氏と李洛淵氏は保守、進歩の枠組みを越えて勢力を結集する選択をした。両氏は保守、進歩の支援者からそれぞれ一定の支持があり、知名度も高い。その両氏が共同代表を務める「改革新党」が、二大政党に不満を抱く無党派層や中道層の受け皿となり得るのかが今後の焦点だ。総選挙の台風の目になる可能性も秘めており、注目される。
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