新型コロナウイルスが終息を迎えて空の道が開かれ、海外旅行の需要が大幅に増えた。銀行業界では海外旅行客をターゲットに競争が激化している。それは両替手数料を取らない無料両替サービス競争だ。

これまで海外旅行をする際には出国前に銀行や空港で両替をしなければならなかったが、過去には20パーセントから30%程度両替手数料を払う必要があった。しかし現在は手数料のないさまざまな無料両替サービスがある。

現在最も注目を集めている両替サービスは、14日にシナン(新韓)銀行と新韓カードが発売した「SOLトラベルチェックカード」だ。このカードは世界30カ国の通貨に対して100%の為替レートの優遇を適用し、海外決済および海外現金入出金機での引き出し手数料が無料になる。

さらに、外貨口座に預金している外貨のうち、米ドルとユーロについてはそれぞれ年利2パーセントと年利1.5パーセントの特別金利まで適用される。空港ラウンジの無料利用はもちろん、現地店舗での割引まで行う積極的なマーケティングも展開している。

「生涯両替無料」を宣言して競争に火をつけたトスバンクのデビットカードも注目に値する。先月18日にトスバンクが外貨に両替する際の手数料が全て無料になる外貨通帳の開設を始めた。

トスバンクの外貨通帳は、ウォンを外貨に変える時だけでなく、外貨をウォンに変える時も手数料が発生しない。トスバンクの外貨通帳は発売後3週間で60万口座が開設され、デビットカードは50万枚が発行されるほどの人気ぶりだ。

銀行業界の両替手数料無料サービスの先駆者はハナカードの「トラベログ」カードだ。2022年7月に発行を開始したこのカードは、金融業界では初めて両替・決済・出金手数料完全無料を前面に押し出して市場を先取りした。このカードを使うために必ず加入が必要なハナ金融のプリペイド電子決済サービスである「ハナマネー」の加入者は先月末時点で370万人に達した。

ハナカードは今年の3月まで行なう予定だった26カ国の通貨の両替手数料の無料期間を今年12月末まで延長し、ハナ銀行の支店でトラベログチェックカードを即時発行できるようにするなどして、業界1位の座を固めようとしている。

両替無料サービスを前面に押し出した商品は今年上半期まで引き続き発売される見通しだ。夏休みを前に海外旅行客が増えると予想されるためだ。KB国民・ウリ・NH農協・カカオバンク・Kバンクなども関連サービスの発売を準備または検討中だ。 他の銀行が競争に参入すれば、これまでイベント形式で提供されていた各種手数料の特典が常時化され、顧客の利便性が高まる可能性が高い。
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