「釜山回し蹴り事件」被害者が作家デビュー=韓国
「釜山回し蹴り事件」被害者が作家デビュー=韓国
「プサン(釜山)回し蹴り事件」の被害者が作家としてデビューする。

 19日被害者のAさんが「キム・ジンジュ」のペンネームで書いた書籍「闘います。死ななかったから」が出版される。この本には犯罪被害者らが経験する現実と困難、被害者らのための支援制度の限界などが記されている。

 「ジンジュ(真珠)」はキムさんが生まれた6月の誕生石で、加害者の暴行で麻痺(まひ)した右足の感覚が戻った6月4日を記憶するという意味が込められているという。

 これに先立ち、キムさんは今月16日にKBSラジオとMBCニュースなどに出演し本の出版を伝えた。当時、キムさんは「死ななかったにもかかわらず、『死んだほうがいいのか、あるいは死ぬべきだったのか』と悩んできたことを本の題名にした」と話した。

 キムさんは本の執筆のため犯罪被害者やその家族ら100人近くに直接会い、被害者らのための具体的な方案を考えたという。そのほかにも、キムさんは被害者救済活動のため昨年7月に「大韓民国犯罪被害者コミュニティー」という名前のオンラインカフェを開設しており、強力犯罪の被害者と一般市民らが被害事実を通報し、嘆願書を募集したり、犯罪被害者支援制度の情報を共有することができる。同年6月にはユーチューブチャンネル「被害者を救おう」を開設し、裁判用語、犯罪被害対処法などの映像を掲載している。

 キムさんは、「被害者の回復を先にする被害者中心主義が実現してほしい」とし、「法は被害者の見方に付くことができなくても、人は被害者の見方に付いてはいけないのか、そのように考えることが多かった」と話した。

 一方、「釜山回し蹴り事件」は2022年5月22日に釜山ソミョン(西面)で30代の男が、明け方に1人で帰宅するキムさんの後を付けてオフィステル(住居兼用オフィス)の共同玄関で回し蹴りをして倒した後、CCTV(防犯カメラ)の死角地帯で性的暴行と無差別暴行をした事件だ。

 男は強姦(ごうかん)殺人未遂の容疑で最高裁で懲役20年の刑が確定し、現在服役中だ。また、元恋人に脅迫の手紙を送り、キムさんには報復の脅迫発言をした容疑で再び裁判にかけられている。

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