親文系(文在寅派)の代表といわれるイム・ジョンソク(任鍾晳)元大統領秘書室長が27日にカットオフ(公認排除)され、潜んでいた「文明(文在寅・李在明)衝突」の火種が爆発したことで、非明系(李在明派ではない)議員の離党が現実化している。
27日にはパク・ヨンスン(朴英淳)議員が離党したのに続き、28日にはソルフン(薛勳)議員も離党を宣言した。また、民主党と進歩党によるウルサン(蔚山)北区候補単一化の合意に反発してきたこの地域の現職議員であるイ・サンホン(李相憲)氏も離党した。公認候補をめぐり離党したのは、キム・ヨンジュ(金英珠)国会副議長、イ・スジン(李秀真)議員を含めて5人目となる。
さらに、この日、党の公認管理委員会が親文系の中心であるホン・ヨンピョ(洪永杓)議員の選挙区である仁川富平を戦略(指名)地域に指定するよう戦略公認管理委員会に要請すると発表した。これは洪議員に対する事実上のカットオフとみられており、党内の緊張が一層高まっている。
党が実施した現職議員の評価や候補適性度世論調査の公平性問題を指摘し、反発していた非明系議員たちの認識が、疑念のレベルに留まっていた「非明系議員の切り捨て」を確信する段階に達し、離党の決意を固めている様子だ。
非明系はこの日、任元室長のカットオフを強く非難した。
洪議員はCBSラジオに出演し、「国民が政治検察、尹独裁政権を審判しなければならないのに、文政権を審判し、親文系、非明系、反対派の審判に(党の)指導部が没頭している」と批判した。
文政権で大統領府の国民疎通首席を務めたユン・ヨンチャン(尹永燦)議員は、BBSラジオのインタビューで「李在明党の完成、私党化の完成のためだ」とし、「8月の党代表選や2027年の大統領選挙という側面から見ると、ライバルの芽を完全に切ってしまうということだ」と指摘した。
カットされた任元室長は、国会で記者会見を開き、自分が出馬を準備してきたソウル市中区・城東区甲の選挙区にチョン・ヒョンヒ(全賢姬)前国民権益委員長を戦略公認した決定について、「再考してほしい」と李在明代表など指導部に求めた。
任元室長は、他地域への出馬検討の可能性まで否定し、指導部の返事を聞いた後に、去就を表明するとして「背水の陣」を敷いた。中断していた選挙運動も再開するという。
しかし、李代表は任元室長の要請を事実上拒否した。
李代表はこの日、任元室長の反発について記者団に「総選挙の候補者を決める過程では、党の判断と個人の判断が異なる場合が非常に多い」とし、「葛藤と反発は必然的だ」と述べた。
離党議員はこの日の薛議員に続き、洪永杓議員やチョン・ヘチョル(全海澈)議員など、低評価を受けた非明系議員の離党も可能性が高まっている。
洪議員はラジオで富平の戦略地域指定と関連し、「洪永杓を完全に追い出そうとする作戦だ。認められない」と反発した。洪議員は離党などの選択肢があるかと尋ねると、「そうだ」と答えた。
洪議員は特に、「(離党者が)5人から10人になる可能性もある」と述べ、離党のレベルを超えて集団の離党で党が分裂する可能性まで言及した。
党内では、非明系議員が離党後、仮称「民主連帯」を結成し、選挙前にイ・ナギョン(李洛淵)元代表が率いる「新しい未来」との連帯案を検討中という話も出ている。
公認管理委員会がキム・グンテ(金槿泰)系に分類されるキ・ドンミン(奇東旻)議員の選挙区であるソウル市城北区乙を戦略公認委員会の所管に移管した問題も火薬庫の一つだ。
公認管理委員会は「ライムファンド詐欺事件」の主犯であるスターモビリティーのキム・ボンヒョン元会長から違法政治資金を受け取った容疑で、裁判中であることを理由に挙げた。しかし、同じ容疑で裁判中の親明系のイ・スジン(李壽珍)議員には公認候補を選ぶ党内の競争選挙の機会を与え、公平性の論争が起きている。
公認の葛藤が収拾できないほど大きくなっているが、李代表をはじめとする党指導部は公認に問題はないという主張を繰り返し、親明系を非難している。
李代表は「入党も自由、離党も自由」とし、「試合して負けそうなので試合しない。こういうのはあまり国民の目には美しく見えないだろう」と述べた。
パク・ジョンヒョン(朴貞炫)最高委員は最高委員会で「静かな公認こそ、誰かが深く介入した私選である可能性が高い」とし、「成績が良くないからといって、党の功績評価システムをむやみに揺さぶるのは正しくない」と述べた。
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