28日に韓国の統計庁が発表した「2023年人口動向調査出生・死亡統計(暫定)」と「2023年12月人口動向」によると、2023年の韓国の合計出生率は0.72人を記録した。これは2022年(0.78人)より0.06人減少し、統計を取り始めた1970年以降で最も低かった。合計出生率は2016年(1.17人)以降8年連続で減少し、毎年過去最低値を更新している。2023年の第4四半期に限定すると0.65人で、過去の全四半期を通じて初めて0.7人を割った。
2023年の年齢別出産率は45歳未満のすべての年齢層で減少した。特に少子化対応政策を受ける立場の2030世代で下落が激しかった。30歳から34歳(66.7人)で前年比6.8人の減少と減少幅が最も大きく、続いて25歳から29歳(21.4人)と35歳から39歳(43人)でそれぞれ2.6人、1.1人減少した。
問題は、結婚は新型コロナ禍の真っ最中だった時に比べて増えたが、出産につながっていないという点だ。2023年の婚姻件数は1年前より1983件(1.0%)増加した19万3673件で、首都圏のソーシャルディスタンスが最高段階に格上げされ、パンデミックが最も深刻だった2021年(19万2507人)に比べても多い水準だった。年末に近づくほど増加率は減り、第4四半期には3%台に収束したが、上半期だけでも1月から4月まで前の年の同じ月に比べ2けたの増加率を維持するほど上昇傾向が明確だった。
統計庁の関係者は「過去に比べ結婚しても子供を産まないか、結婚後に出産する時期が遅れている」とし「結婚と出産に時差があり、まだ新型コロナ禍の時期に婚姻件数が減少した影響を受けて出産が減ったものとみられる」と説明している。
出産の年齢は高くなっている。第1子を産んで母親になる年齢は平均で33歳まで上がったが、2021年の経済協力開発機構(OECD)加盟28ヶ国の平均は29.7歳だ。35歳以上の高齢産婦の割合は36.3%で、前年比0.6%ポイント増加した。第1子の割合(60.1%)は1.9%ポイント増えて、初めて60%台を突破した。子供を産んでも1人にとどまる傾向がより強くなっていることがわかる。
全国的にも出生率は減少する傾向にある。17の市・道いずれも合計出生率が1.0未満に下落したのは昨年が初めてだった。2022年まではセジョン(世宗、1.12人)市が唯一1人台だったが、昨年は0.97人に下落した。首都のソウルは0.55人まで下落し、全国で最も出生率の低い都市となった。
韓国の合計出生率は世界的にも「最下位」レベルだ。2021年時点のOECD加盟38カ国の合計出生率は平均1.58人で、当時、韓国(0.81人)以外の国は全て1人以上だった。急速に高齢化が進む日本も1.25人で、韓国より高かった。
3023年の出生者数は23万人で、1年前より1万9200人(マイナス7.7%)減少した。2012年には48万人に達していた出生児数が約10年で半分になったことになる。死亡者数(35万2700人)が出生者数を追い越す「人口デッドクロス」は4年間続いている。統計庁では今後少子・高齢化がさらに進み、人口自然減少の幅が大きくなり続けるものとみている。今年の出生児数は昨年よりもさらに減少し、合計出生率も「2022年から2072年将来人口推計」で予想されている0.68人に収束する見通しだ。
この18年間で韓国政府は少子化対応に約380兆ウォン(約42兆8000億円)を注ぎ込んだが、世界的にも前例のない「人口絶壁」に直面している状況だ。生産人口を増やすための「仕事と家庭との両立」政策に力を入れなければ、韓国に残されているのは消滅の道しかないとの懸念が増している。
中央大学社会福祉学科のチェ・ヨン教授は「政府では育児休暇や保育サービス、初等部ケアサービスなど子育てのためのさまざまな支援を行っているが、問題はこのような政策が養育者が仕事をしている労働市場環境に合わない点」と述べ、「不安定な働き口を避けてより良い働き口に行くための待機時間が長くなって結婚が延ばされ、結婚をしたとしても出産までは考えにくくなる」と指摘している。
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