専攻医の集団辞職をめぐり、韓国政府と医師らの駆け引きが続くなか、専攻医の一部から集団行動ではない別のやり方で現局面を解決しなければならないとの意見が出ている。これに一部では「公務員が医師であると詐称しているのではないか」と批判的な反応を示し、注目が集まっている。

29日、インスタグラムのアカウント「違った考えを持つ医大生/専攻医」には、自己を病院に残った大学病院の胸部外科専攻医と紹介した匿名の書き込みが掲載された。この専攻医は「2月初め、政府による医学部定員増員案の発表後に専攻医が病院を離れ、1週間が過ぎたきょうも私は不安がる患者をなだめるルーティンで一日を始める」と書き込まれ、「患者と保護者は医療スタッフ不足により最善の治療を受けられなかったり、手術が後回しになるのではないかと同じ質問を繰り返し、不安な気持ちでいる」と伝えた。

同氏は世界医師会が明示している「医師たちが団体行動をする時に守らなければならない最小限の勧告事項」について言及し、「医師によるストライキは患者の治療を改善するために試みたすべての方法が失敗した時の最後の手段でなければならない」と明らかにした。続けて「しかしこれまでつらい業務と制度的矛盾の中で不安ばかりを感じていた私たちはストライキという劇薬処方以外の代案に対して十分に悩むことができなかった。私たち自身と患者のためにどんな方法で、何を変えようとするべきかも議論できなかった」と指摘した。

自身が病院に残った理由については「今回の事態で看護師、臨床病理士、放射線技師など、これまで注意を払うことができなかったさまざまな医療従事者の話を聞いた」とし、「彼らは医療の空白による業務加重が起きても問題を提起しにくい。安全な医療環境のために病院のすべての医療従事者とともに声を上げなければならない」と主張した。

また、「救急室に行く度に、私はいつも患者と保護者からの『いったいどれくらい待てば診療を受けることができるのか』という切実な質問に直面する」とし、「市民が中心に立って医療関係者及び政府は市民を助け、今後の代案を作っていく方式で今の局面を解決していくことを私たちは切実に願う」と述べた。

このアカウントは24日に開設された。アカウントの運営者は「政府と医師らとの強硬なパワーゲームだけが浮き彫りになり、いざより良い医療という目標は後回しにされている」とし、「これまで病院と医学部が持つ閉鎖的環境の中で声を出すことが難しかった医学部生と専攻医は私たちを訪ねてほしい」とアカウント開設の趣旨を明らかにした。

しかし現在、このアカウントには「医師であると詐称しているのではないか」という趣旨のコメントが多数寄せられている。特に「公務員さん、お昼休みが終わって仕事を始めたんですね、お疲れ様です。今回胸部外科に転職して楽しいでしょうか」「違った考えというわけではなく、政府広報方針そのまま繰り返しだね」「公務員様、こういうことをしても追加手当ては貰えるのか」など、この文章を書き込んだ作成者を公務員ではないかと疑う反応が相次いでいる。

また「コメント欄に『いいね』を押したりコメントする医師たちは本人のアカウントIDを使うのに、あなたは何のリスクを負うのか」「私たちは医師免許をかけて実名を明らかにしているのに、あなたは何をかけてより良い医療を実現しようとしているのか」など、匿名という点を批判した人々もいた。

一方で、韓国政府が集団ストライキ中の専攻医に提示した復帰期限であるこの日、一部の専攻医は診療現場に戻って来ているが、大々的な復帰の動きはまだ確認されていない。前日の午前11時時点で、全国の主要な修練病院100ヵ所で専攻医294人が復帰していることが分かった。

ソウル大学病院のキム・ヨンテ病院長とプンダン(盆唐)ソウル大学病院のソン・ジョンハン病院長、ソウル市ボラメ病院のイ・ジェヒョプ病院長は「韓国の多くの患者たちが皆さんを待っている。もう戻って来てほしい」と促し、サムスンソウル病院のパク・スンウ病院長も「これからは現場に戻って患者の方々に寄り添うことを要請する」と述べた。
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