辻井は2011年に韓国人ピアニストのソン・ヨルムと共にコンサートを開いているが、韓国でのリサイタル開催はこれが初めて。
韓国の観客の前に登場するのは13年ぶりとなる。バッハのフランス組曲第5番から演奏を始めると、繊細で豊かな音色で瞬く間に観客を引き込んだ。続いてショパンの4つの即興曲を、第2部ではドビュッシー「版画」とラフマニノフ「楽興の時」を奏でた。圧倒的な技量はもちろん、音楽が織りなす光景をより情感豊かに映し出す演奏に、観客は熱い拍手を送った。
辻井は曲を終えるごとに笑みを浮かべて観客にあいさつ。リサイタルを前に韓国メディアのインタビューで語った通り、演奏中の表情は音楽の楽しさに満ちていた。
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