AFP通信が5日に報じたところによると、モンテネグロの控訴裁判所はホームページを通じて「クォン・ドヒョン容疑者の法定代理人による控訴を受け入れ、2月20日にポドゴリツァ高等裁判所の決定を無効とし、事件を1審に差し戻した」と明らかにした。控訴裁判所はポドゴリツァ高等裁判所で刑事訴訟条項の違反があったと、今回の判断理由を説明している。
これに先立ち、ポドゴリツァ高等裁判所はクォン容疑者の米国への引き渡しを決めたことを発表していたが、クォン容疑者側はこれを「不当な決定」として控訴していた。
クォン容疑者はテラ・ルナの暴落事件直前の2022年4月に本社があるシンガポールにいたが、同年9月にアラブ首長国連邦からセルビアへと居場所を移してきた。2023年3月にモンテネグロのポドゴリツァ空港で偽造パスポートを使用した罪で逮捕され、米国への引き渡しが決まっていた。しかし、今回の控訴裁判所の判決でクォン容疑者の引き渡し国が変わる可能性が出ている。
クォン容疑者は米スタンフォード大学でコンピューター工学を専攻し、アップルやマイクロソフトなどでエンジニアとして勤務した後、2018年にテラフォームラボを設立した。この会社が開発した仮想通貨「ルナ」と「テラ」は一時時価総額100兆ウォン(約11兆2000億円)まで急騰したが、2022年に暴落して世界の仮想通貨市場をパニックに陥(おとしい)れていた。
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