尹錫悦大統領
尹錫悦大統領
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は6日「急激な増員が医学教育の質を低下させるという主張は事実ではない」と述べ、医療界の主張を1つひとつ反論した。

尹大統領は「健康保険が初めて導入された1977年以降、韓国のGDPは116倍、国民医療費は5~11倍も増加したが、同期間の医師数は7倍増にとどまった」と強調した。特に「同じ期間、医学部の定員は1380人から3058人とわずか2.2倍増員された。同期間に輩出された年間の弁護士の数は58人から1725人へと30倍増えた」と述べた。

尹大統領はこの日の午後、政府セジョン(世宗)庁舎で医師集団行動による非常診療システムを点検し、医療改革の主要課題などを議論するため‘医師集団行動中央災難安全対策本部’会議を直接に主宰した。

尹大統領は「政府が推進中の医療改革は、医学部の増員を基本に医療政策の代案と共に遂行している。医療現場を早く正常化するためにも必須医療パッケージ政策の実行速度をもっと高める」と述べた。

尹大統領は、医学部の増員が必須医療回復の出発点という点も具体的に提示した。尹大統領は「各大学から来年の医学部増員申請を受けた結果、昨年末の需要調査結果をはるかに上回る計3401人が出た。それでも医療界の一部では急激な増員で医学教育の質低下を主張している」と批判した。

尹大統領はこれを「誤った主張」と規定し「1つの医科大学当たり1学年の定員が77人であるのに対し、ドイツは243人、英国は221人、米国は146人。政府が定員40~50人の小規模医学部から増員しようとするのは、グローバル基準に合わせて医学教育を正常化しようとすることだ」と提示した。

さらに「医学部教授1人当たりの法定学生定員が8人だが、現在の医学部平均は1.6人に過ぎないなど、専任教授数も非常に多い」とも説明した。尹大統領は「この30年間、医学部の定員に対する悩みと医学教育の質を高めるための努力が事実上放置された」とも指摘した。

尹大統領は全国47の上級総合病院の修練専攻医が全体医師の35%を占める偏った構造についても批判した。尹大統領は「専攻医の勤務時間は週当たり77.7時間と過度に長い。今まで大型病院は若い専攻医の犠牲に過度に依存してきた」と述べた。

これは、国民の健康と生命を脅かす病院の運用構造を必ず正すとの判断である。そして、熟練した診療支援看護師PAを積極的に活用し、根本的な医療システムの改編も推進することを示唆した。

尹大統領は「政府は国民の生命と安全に対する責任を放棄した医師に対する適当な措置を取り、彼らの空白を埋めることができるよう非常診療システムを強化する。看護師が熟練した医療者に成長する」と述べた。

また「公衆保健医師および軍医官の投入、さらなる人材を新規採用するための人件費支援などを実施する。『ビッグ5』の病院が重症患者に集中し、非重症患者を地域の総合病院や専門病院に移送する場合にはインセンティブを拡大し、これまでゆがんだ状態で放置されてきた医療伝達システムを正常化していく」と述べた。

尹大統領は「保健福祉部長官は関係部処と協議して利用可能な資源を総動員し、国民に被害を与えないように隙間なく対応してほしい。医療改革は全く動揺することなく推進し、完遂していく」と付け加えた。
Copyrights(C) Herald wowkorea.jp 83