ILO29号協約はILOの会員国なら可能なすべての形態の強制労働使用を禁止しなければならないことを約束する条項である。ただし、戦争や人口全体、または一部の生存・安全を危うくする極めて重大な状況は例外として認めている。
9日、医療界によると、ILO29号協約の例外条項をめぐり、専攻医と政府の考えが分かれている。
政府は、専攻医の行動は強制労働を禁止する例外の状況と認め、専攻医の現場復帰について行政命令を下し、促している。一方、医療界と専攻医は、自身の労働は修練病院との契約に過ぎず、他人の生存を危うくするほどの重大な状況ではないと主張する。
保健福祉部のチョン・ビョンワン保健医療政策室長は7日のブリーフィングで、ILO協約違反の可能性があるとの一部の主張に対し「協約の適用除外に該当すると判断している」と反論した。
医療界ではILO提訴の動きが出ている。ウルサン(蔚山)大学医学部教授協議会非常対策委員会がILO提訴を検討したことがあるものの、専攻医たちが自主的に提訴準備をしていることが把握され、教授協議会レベルでの提訴は中断された。
法曹界の解釈は様々だ。専攻医に法的諮問をしている法務法人オキムスのチョ・ジンソク弁護士は「政府が専攻医たちの辞職届を受け入れないこと自体が一種の『強制労働』に該当し、ILO29号協約違反が妥当である」と指摘した。さらに「専攻医たちの辞職届提出自体を無効と見る政府の主張は法的根拠がなく、これ自体が違法な強制労働になる」と述べた。
反面、医療専門の法務法人ヘウルのシン・ヒョンホ弁護士は「専攻医は労働者に過ぎず、生死が行き来する患者を治療していて途中で出てきた程度の事案でないなら、ILO29号協約の例外条項に適用されない」と主張した。シン弁護士は「労働基準法により労働者が辞表を提出してから30日前ならまだしも、その後に辞職が処理されると強制的に労働させることはできない」と述べた。専攻医たち自体が強制労働の対象にならないため、強制労働禁止条項として提訴することは成立しないということである。
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