「シートベルトを締めるのを忘れていたんだ。」

12日の午後1時23分、ソウル氏マポ(麻浦)区サンアム(上岩)洞のある小学校付近。タクシー運転手のAさんがシートベルト未着用で警察に検挙された。道路交通法により違反者には過料3万ウォン(約3380円)が、13歳未満の子供が同行している場合には2倍高い過料6万ウォン(約6760円)が課される。Aさんは「ちょっとトイレに行って来た時に(シートベルトを)締めたつもりだった」と言葉を濁した。

麻浦警察署では始業シーズンを迎え、児童保護区域で飲酒運転の取り締まりと交通安全キャンペーンを行っている。ソウル警察庁が地方自治体などと合同で今月4日から22日まで行われている児童保護区域内の交通違反の集中取り締まりの一環だ。麻浦警察署ではこの日の午後1時から4時まで、麻浦区の二つのエリアで飲酒取り締まりを実施した。麻浦署のチャン・デグァン交通課長は、「飲酒運転は一般的に昼間より夜間の方が多いが、二日酔い運転と昼間の飲酒運転で取り締まられる事例がある」と述べ、「まだ麻浦区管内では4日以降飲酒運転の検挙事例はないが、注視している」と述べた。

この日の午後1時から3時まで、麻浦区上岩洞のある小学校の前で警察に同行して取材した結果、飲酒運転をした車両は検挙されなかった。しかし、Aさんのようにシートベルトの未装着など、ドライバーの「安全不感症」が依然として続いていることが分かった。

また、スクールバスの運転手のBさんはこの日の午後1時14分、同乗保護者がいない状態で運転して検挙された。スクールバスには安全に関する研修を受けた保護者が運転者と同乗しなければならない。同乗保護者なしで車両を走行させた場合、刑事処罰または30万ウォン(約3万3800円)以下の罰金が科される。Bさんは「学期初めだから忙しかったようで(車に同乗する)担当の先生がうっかりして時間を逃した」と話した。警察官は「児童保護車両は同乗者がいなければならないが、下車ヘルパーがおらず検挙された」と語り、「学期初めなので通常時と運行時間が変わり、教師がスケジュールを把握できていなかったせいで乗っていなかったと(Bさんが)話した」と語った。

警察が飲酒運転を取り締まる過程でハプニングも起きた。50代の女性Cさんが飲酒運転測定で検挙されそうになったが、これは口腔清浄剤を測定直前に使用したためだ。Cさんは「急に測定器に息を吹きかけるのは失礼なような気がして、口腔清浄剤を口に含んだ状態で測定を受けた」と話し「こんなことは初めてであきれている」と語った。また別のドライバーDさんは飲酒検問の30分前に歯磨きをしたせいで、測定器に数値が表れたりもした。

この日、上岩洞の現場では深刻な交通違反は比較的少なかったが、他の地域では飲酒運転と信号無視などのドライバーが多数検挙された。この日の同じ時間帯にソウル管内の計29の警察署が47カ所で飲酒一斉取り締まりを行った結果、3人が検挙され、この全員が免許停止処分を受けた。また、信号無視84件、歩行者保護違反8件などが検挙された。

一方、警察はこの日の午後1時30分から麻浦区上岩洞のハヌル小学校前で交通安全キャンペーンも実施した。始業日を迎えた生徒たちと保護者たちに再度交通安全の重要性を知らせるためのものだ。麻浦警察署の関係者をはじめ、交通安全公団、麻浦区庁、緑の母の会など関係者40人が児童たちに対し「子供の交通安全規則」などの冊子を配った。この小学校に在学中の8歳と11歳の子どもを持つヒョンさん(46)は「まだスクールゾーンで制限速度を守らない人がたまにいて、危ないと感じることが多い」と語り、「子供たちにこのように事前指導するのは良いこと」と話した。

警察の関係者は「信号無視や歩行者保護義務違反など、児童の安全を脅かす交通違反の厳正な取り締まりとともに、キャンペーンおよび指導を並行して実施し、児童の交通事故予防のために最善を尽くす」と明らかにした。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107