元心昌は他の独立運動家と共に1933年、日本の駐中国公使だった有吉明を上海で暗殺する計画を立てたが、直前に発覚して逮捕された(六三亭事件)。日本の刑務所で13年服役し、45年の光復(植民地支配からの解放)と同時に出所すると、在日同胞の権益向上を目指して民団創立に動いた。南北統一運動にも力を注ぎ、在日コリアン向け新聞「統一日報」を創刊した。
韓国政府は元心昌死後の77年に建国勲章「独立章」を授与している。2013年12月に国家報勲部は「今月の独立運動家」に元心昌を選定。「韓中日3カ国で敵の心臓を狙ったアナーキスト」と呼び、独立運動に大きな足跡を残したと評価した。
記念館では元心昌の生涯をたどることができる。1919年の独立運動参加、日本留学時代のアナキズム活動、「六三亭義挙」と中国での抗日闘争運動などを紹介。民団では団長を務め、50年に朝鮮戦争が勃発すると642人の在日学徒義勇軍を送り出したことも説明する。また、日本で南北統一運動に奔走した姿も伝える。
記念館開設にあたり、統一日報は元心昌の活動にまつわる遺品265点と7233枚に及ぶ資料を寄託した。
元心昌の業績を取り上げてきた統一日報の李民晧(イ・ミンホ)ソウル支社長は「日本で独立運動を展開した代表的な愛国者ながら、国内ではあまり知られておらず残念だった」とし、今回の記念館開館を歓迎した。
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